マヨルカ島からの便り② ~スペイン政府も新型コロナウイルス感染拡大防止の為マスクを配布~

スペイン、マヨルカ島在住8年のMikaです。新型コロナウイルスの感染拡大で、未だ世界中、先が見えない状況が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

スペインは今週、外出禁止が5週目に入りました。前回は、「Beauty Museum」 読者のみなさまへ、今年のセマナ・サンタ(聖週間 。 キリスト教の祝日 。2020年は、4/9~4/13 )の様子についてお伝えしましたが、引き続きこちらの状況を少しずつお伝えしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

★前回の記事はこちら。

スペインでは、3月14日(土曜日)に非常事態宣言が出された当初は、スーパーと薬局へ買い物 に行くこと、銀行のATMへお金を引き出しに行くこと、犬の散歩のほかに、通勤が認められていました。  

私の夫は、職場が発行した「通勤のため外出」という証明書を携帯して仕事に行っていました。証明書を携帯することは義務ではありませんが、街は警察官が取り締まっていますので、尋問された際に証明するためです。     

これら以外の外出については、罰金もしくは逮捕です。

そして、2週目に入る頃には、自衛隊も街を監視し始め、街の雰囲気は一変しました。ちょうどその頃、夫の職場は在宅勤務へと切り替え、多くの職場が自主的にテレワークへと切り替えていました。

そうして3週目から、テレビでサンチェス首相が、この状況下で必須でない仕事による通勤は禁止にすると発表したのです。 街は、必要不可欠な仕事をしている人を除いて、通勤する人がいなくなりました。マンションの建設をしていた自宅の前の建設現場も工事を中断しました。      

ところが、今週5週目から、サンチェス首相が、通勤禁止の解除を発表し、同時に、 通勤者へのマスクの着用を義務づけたのです。  

スペインは、マスクをする習慣がなかった国です。  

以前、私が風邪を引いて薬局へマスクを買いに行ったことがありましたが、そもそも売っておらず、薬局を何軒も回ってようやく見つけたマスクも日本と違って付け心地の悪いものでした 。

そんなスペインも今は、新型コロナウイルスで、医療現場へのマスクの配布に必死です。医療従事者と患者への配布が優先です。政府が中国からマスクを買って各県に配布していますが、それでは間に合わず、各県でも直接中国から買っています。 そして、マスクが到着するたびに、ニュースで報道されています。 

先月下旬には、ザラ(ZARA)のブランドで有名なスペインのアパレルメーカー、インディテックス(INDITEX)が、中国でマスクを生産し、30万枚寄付したという ニュースもありました。  

そして今週からは、スペイン政府が1000万枚のマスクを通勤者に配布し始めました。日本では、各家庭にマスクが2枚、郵送されるというニュースを見ましたが、スペインでは、電車や地下鉄やバスの駅で、警察官が、マスクを着用していない通勤者に配布しています。特に公共交通機関を利用して通勤する人に配布するためです。

テレビで、通勤者がインタビューをされて、こう答えていました。「私は、自宅から自分が持っているマスクを付けてきました。マスクを持っていない人にマスクが行き渡るように」と。こういった心遣いが今とても大切だと思います。

新型コロナウイルスにより、 マスクをする習慣がなかった国もマスクが必要になった今、暫くは世界的なマスク不足が続くことは容易に想像がつくような気もします。

必要なところへ必要な分だけ必要なものがきちんと届けれられる、そんな世界が早く戻ってくることを願うばかりです。

Mika(スペイン在住8年)
 

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