スペイン、マヨルカ島在住8年のMikaです。 現在、日本はゴールデンウィークの頃でしょう。いかがお過ごしでしょうか?
1日の感染者数の報告に一喜一憂しながら過ごしていらしゃるかもしれませんね。
もちろん、こちらスペインもそんな毎日を過ごしていましたが、ここのところ少し明るい兆しがみえてきました……。
スペインは今週で外出禁止が7週目になり、ようやく子供の散歩が1日1回認められ、全国の子供たちは6週間ぶりに外に出ることができて喜んでいます。
これから少しずつ制限が緩和されていくようですが、まずはその一歩を踏み出したところです。
この子供の散歩を認めるという発表があった先週から、「STAY HOME」という意味の「ケダテエンカサ(Quédate en casa)」という言葉がメディアから消えました。
外出禁止中ずっと、テレビをつければ必ずといっていいほど画面の隅にこの言葉が表示されていたのですが、今はもう見かけません。
この言葉は、非常事態宣言が出される数日前から、医療従事者たちが「ケダテエンカサ(STAY HOME)家にいて下さい、お願いします」というメッセージビデオを作り、Facebook、Twitter、instagramなどのソーシャルメディアを通じて、病院から国民に発信し始めたのでした。 テレビのニュースでも流れ、医療従事者たちが「ケダテエンカサ(STAY HOME)」と切実に訴えるメッセージを見ながら、家にいなければという気持ちになっていったのです。
又、朝から晩まで新型コロナウイルスのニュースで、テレビコマーショルが流れるかわりに「手を洗いましょう」などの注意事項をまとめたビデオが頻繁に流れていましたが、それも今では頻度が減ってきました。
このグラフは、感染者数(オレンジ)、回復者数(緑)、死者数(黒)の推移です。
3月下旬から4月初旬にかけてのピーク時に比べると、感染者数は減少しています。このピーク時から、マドリードのスケートリンクが遺体安置所として使われていたのですが、4月22日で終わりました。又、マドリードのイベント会場の敷地に建設されたプレハブの病院も5月1日に閉めるとのことです。こうしたニュースが流れ、ピークが過ぎたのを感じます。
外出禁止の効果で感染者数が減り、医療従事者の奮闘で回復者数が増えていますが、老人ホームでの感染や、この最前線で働いている医療従事者の感染は今もなお続いており、現在、感染者数の20パーセントが医療従事者と報じられていました。
医療従事者の負担を考えると、入院中の人たちが早く回復するのを願うとともに、私たち自身は気を緩めずに感染しないよう予防をしなければなりません。
それから、マスク不足は解消されてきました。政府が全国の薬局にマスクを配布し、先週から買えるようになったのです。税込みで1枚、0.96ユーロ(約110円)と政府が価格の上限を設定しました。
それがこのマスクです。
薬局には、それ以外のマスクも売っていました。
このマスクの値段は、1枚、約5ユーロ(約580円)でした。
子供の散歩が認められたことによって、子供用マスクも入荷していました。 洗えるマスクで、値段は9.95ユーロ(約1,150円)でした。
更に、月に1000万枚のマスクの生産をするという政府のプロジェクトのもとで、中国から輸入するばかりでなく、スペインのマスクの会社(Sibol社とClimax社)などが、国内生産量を増やしています。
先日、東京タワーが「ARIGATO」とライトアップされている写真を目にしました。スペインでは、非常事態宣言が出されたときから、全国民が20時にベランダに出て、医療従事者に感謝の気持ちを伝えようと拍手をしています。
初日は、22時でしたが、小さい子供は寝ている時間で騒がしいという声があり、 二日目から20時になり、小さい子供も皆、家族そろってベランダに出て拍手をしています。パトロール中の警察官は、拍手のかわりにパトカーのサイレンを鳴らして走ります。テレビに出演中の人たちも、20時になると立ち上がって拍手をしています。
スペインの全国民は、心を一つにしています。
少しずつみえてきたこの明るい兆しが、日に日に確かな光になることを願うばかりです。
Mika(スペイン在住8年)