あなたが一番最近泣いたのはいつですか?
本を読んで泣いたことがありますか?
私は先日、この、『生きていくあなたへ』という本を読みながら久しぶりにポロポロと涙がこぼれました。
毎日の生活の中で何となく考えるのが面倒になって考えることをやめてしまったり、傷つくのが嫌で棚上げにしてしまったりしていることって人間なら誰しもあろうかと思います。
読後、そんなふうに、どんなに考えてもなかなか答えをみつけることができない、生きていく上での様々な事柄について、「あぁ、そういうことだったのか」「そういう考え方ができたらいいな」「そういう考え方があることを今知れてよかったな」と、もちろん不安に思っていることの全てが解決するということはありませんが、少なくとも、105歳まで、そして、亡くなる直前まで使命感を持って生きた人の言葉の重みや説得力には計り知れないものがありました。
ご存知の方も多いと思いますが、日野原重明先生は、東京中央区築地にある、聖路加国際病院の名誉院長で、2017年の7月、105歳で亡くなられました。この本は、2017の1月、亡くなる半年前ということになりますが、約1か月間にわたって、病床にあった先生のお言葉を、かねてから交友のあった輪嶋東太郎さんが聞き書きをするというかたちで収められています。
先生からの沢山メッセージがQ&Aの形式で書かれているのですが、どのQuestionにも誰もがもつ悩みが投げかけられていて、読んでいるとまるで自分が先生と対話しているような気持ちになります。
●愛とは
●生きるとは
●死ぬとは
●働くとは
家族や友人、知人とこういうことについて話すのはなぜか私にはとても抵抗があります。でもこの本を読みながらポロポロと涙が出た私は、もしかしたら話したくて、どこかが壊れていたのかも?いや、今も壊れているのかもしれません。でもそれでもいいのです。それが人間ってもんだ、と今思っています。
読書の秋ですね。本、読んでいますか?
文/TAKAKO NEZU