『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。
名古屋で結婚相談所を始めて12年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、5年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。
本エッセイでは、婚活に奮闘している男性に向けて、時には辛口な𠮟咤激励を飛ばしていきます。

参議院選挙が行われました。皆さんは投票に行きましたか?
「自分の一票では何も変わらない」「行くのが面倒」「政治には興味がない」「今回は色々考えさせられた」「カルトだ」「デマが多い」等々、今までに聞かないような声が聞かれた選挙戦に感じました。
投票率をみると、若い層や若くなくても何も変わらないからと投票しないだけではなく、政治に興味がない人は多いですよね。
私自身、20代は選挙に全く興味が無く、誰に投票していいのかわからず白票で出したことが何回もあります。しかし前職で選挙に関わる仕事をしてからは、毎回必ず立候補者をみて公約を検索してから投票に行くようにしています。
投票に行くきっかけになったのは、選挙が”じぶんごと”になったからです。
私の声は直接国政には届かない。だからこそ、届けてくれる人や現状を打破してくれる人、日本や地域を真剣に考えてくれる人に託さないと文句を言っていても何も始まらない、と思ったことがきっかけでした。
選挙に対する疑問は個人的にいくつもあります……。
どうして選挙って多くの費用がかかるのでしょうか?選挙は平等だからこそ誰もが知る権利があり、役場での投票や看板設置、チラシを配布することはわかりますが、あれだけ多くの看板がなぜ必要?なぜ期日前投票は役場でしかできないの?選挙カーからの大声はなぜ?
一番の違和感は、選挙の時だけやたら街頭で「助けてください」「応援してください」「男にしてください」という候補者がいます。公約や行いたい政策や仕事内容を言うよりも”お願い”って変だと思うのです。助けてほしい、応援してほしいのはこちら側(国民)です。男性なのに男にしてくださいって今の時代ではズレていると感じるのは私だけでしょうか?
難癖をつけている訳ではないのです。推しの候補者がいて応援しても、その人はよくても党の政策とは違うことや、公約も100%自分の想いとは違うことが多々あります。これは投票したい人を「正解」「不正解」で判断することではないこともわかっています。
私たちは今まで学校教育や仕事で「正解」「不正解」のどちらかに判断されてきました。だから間違ったら大変、間違ったら失敗と言われてしまうと不安になります。でも、選挙は違います。むしろ、違う考え方にも聞く耳を持ち、対話できることが重要です。
これに通じるのが結婚です。100%自分の思い通りの人はいません。ましてや自分の都合のいい条件ばかりを叶えてくれる白馬に乗った王子様やきれいなお姫様はいません。そして結婚相手は赤の他人です。今までの育ち方も地域文化も違います。その赤の他人と生活し家族になっていくことが結婚生活です。
いくら好きで始まった関係でも自分の思い通りにはならないし、そこには義両親や子どもと……二人から家族のカタチも変わります。その変化に対応し、力を合わせて恋人から家族になっていくのです。うちの家はこうだ、実家はこうだったとか、自分は間違っていないとか、それぞれの正義をかざすとケンカになります。家庭も政治も分断からは何も生まれません。

今回の参議院選挙は日本人と外国人、〇〇党と△△党、若者と高齢者、子どもの支援と未婚者、様々な分断が生まれました。
人は、自分の辛さをわかってくれて、共感してくれると嬉しいものです。その情報が間違っていることは関係なく、代弁してくれたことにフォーカスしてしまいがちで、逆に他者からの意に沿わない指摘は、自分を否定されたように感じてしまうものです。個人的には今回の選挙はここが顕著に結果にでた選挙だなと感じました。
お見合の席や初対面では天気や季節、出身地の話など当たり障りないことを話す事を進められています。逆に初対面でNGな内容は、政治・宗教・野球チームと言われてきました。
これは、政治や宗教は当たり障りのない内容ではなく、それぞれの信条があるからこそ初対面では難しい、想いが大きければ大きい程、愛が強ければ強い程、他の意見やチームは受け入れがたいからです。
家族間でも応援する政党や野球チームが違うと仲たがいすることもあります。初対面で深く知ることを必要としていなければ話す必要はありませんが、むしろお見合など、人生を伴に過ごしたい人を見つける活動をしているなら、タブー視せずに今後は政治や宗教・野球チームに金銭感覚・性のことも話していくことが私は大切だと思っています。
私は以前から男性に、性やお金のことこそ最初に伝えて下さいと言っています。国際結婚では互いに文化や国が違うからこそ、日本人が得意な”曖昧”にするのではなく、自分の意思や希望を伝えることがとても大切です。
自分に希望があるように、相手にも希望があるのです。
でも男性は仲良くなってから話すとか、追々聞いてみると先送りにする人がとても多いです。仲良くなってから信条としていることが違って譲り合えなければ、今までの時間が無駄になってしまいますよ。婚活しているひとたちの時間は有限だからこそ、大切なことは最初に伝えた方がいいです。
結婚はゴールではなくスタートです。結婚生活を重ねて家族になっていきます。意見や信条が違って当たり前です。その時に話し合いができることが重要です。
なぜその政党なのか?ぜその宗教なのか?なぜ巨人なのか?なぜ阪神なのか?
相手と推しが違った時に効く耳を持つことや、違う意見を客観的にみてみるとまた新たな発見があるはずです。きれいごとかもしれませんが、自分から幸せは広まっていくと思っています。自分が満たされていると家族や周りの人にも幸せは波及していき、世界平和は自分と家族からと信じています。
負の問題を他責にして、自分は間違っていない、自分が不幸なのは外国人のせいだと敵をつくるのは簡単ですが、何の解決にもなりません。立候補者も当選したからゴールではなく、投票した人は当選した人が仕事をしているか、自分の声を届けてくれるかのチェックをしていくことこそが大切なことです。選挙も生活も”じぶんごと”にすると熱量が変わります。


