【連載×ますだあけみ】全ては「自覚から始まる」~婚活がうまくいかない理由~

『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。

名古屋で結婚相談所を始めて12年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、5年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。

本エッセイでは、婚活に奮闘している男性に向けて、時には辛口な𠮟咤激励を飛ばしていきます。

お盆を過ぎても異常な暑さは変わらず毎日毎日暑いですね。これは異常気象なのでしょうか?35年前に訪れた熱帯の国、インドやインドネシアの人々は、街でも田舎でも昼間は木陰で涼み、仕事をしていませんでした。当時は、オトナが昼間から寝ころび仕事をしないなんてと、驚愕したことを思い出しました。

しかし、暑い日中には仕事をしないけれど、朝早く涼しい時間帯や夕方陽が陰りだした頃にみんな動き出していたのでした。夜は静かにおとなしく過ごすのではなく、活気ある夜店や市場が賑わっていて、気候に対して抗う事をせず、暑い国の過ごし方を肌で体感しました。

今年の日本の気温はタイを超えた、とニュースで騒いでいましたが、タイに渡航したことない人にとっては、比べようがないと思います。遥か彼方の暑い国よりも日本の方が暑くなったと言いたかったのかもしれませんね。

一昨年、タイに行った時43℃を経験しました。確かに暑いのですが、朝晩は風が通り気温も下がります。日本は熱帯夜、熱中症、危険な暑さと騒ぎながら、何も変わらず日中至る所で道路工事や建物の建設に解体、畑の作物は育たず、炎天下での甲子園……これはいつになったら変わっていくのでしょうか?

毎年毎年異常気象と言われていますが、そろそろ日本は四季のある国からスコールのある熱帯の国であることを自覚して、働き方や過ごし方を早急に見直していった方がいいと思うのです。穏やかで四季のある日本は過去になりつつあります。

酷暑のお盆休み中にお墓参りに行ってきました。時間の都合で昼間に行った為、日陰の無いお墓は本当にツラい……。花も枯れるどころか、腐って墓石にべったりくっついていました。

遠方のお墓は今後益々人が来ない、来ることが出来なくなりお参りどころか、管理もされなくなるのでしょう。墓じまいが急速に進んでいることも頷けます。

今年3月に夫の同級生が亡くなり初盆でした。47歳の突然の死。週末家族と朝ご飯を食べようとした時、胸を押さえて倒れ込みそのまま救急搬送。意識が戻らないまま3週間後に亡くなりました。

亡くなる2週間ほど前に偶然街で会った時は、元気そのもので笑っていたのに……人生ってわからないものです。

友人は30歳で結婚し、子どもが出来ましたが離婚。40歳過ぎてから再婚し、婿養子として妻の姓に変え、妻の親の会社に勤め次期跡取りとして仕事をしながら、不妊治療を乗り越えて子どもも授かり、仕事もプライベートも順風満帆のようでした。

同級生たちと初盆のお参りに行った夫。その時すごく違和感があったと次から次へと吐露しだしたのです。「婿養子だから、相手の家に行くことを躊躇する。」「姓が変わったから別人のようだ。」「婿養子だから、友人の親は息子なのにお参りに行きにくい。」「既にお墓に入ったけど、奥さん側の墓だから知らない爺さんや婆さんと同じ墓の中って嫌だなよな。」と言いたい放題です。

これって、妻側は全て当てはまることであると、夫だけでなく、世の男性は理解していますか?結婚し、相手の家に入り、姓を変え、仕事だって変わることもある、実家の親は嫁いだ家にズカズカと入っては来れません。そして死んだ後は知らないご先祖様の中(墓)に有無を言わず入れられてしまいます。しかし今は時代が変わってきたからこそ、義実家の墓には入りたくないから別のお墓や共同墓地への希望や夫の死後に離婚をして婚姻関係を解消する「婚姻関係終了届」が多く出されているのも頷けます。

今回、夫の何気ない一言二言は日本の気付いてない男たちのマヒしている感覚そのものだと痛感しました。結婚し男側に行き、名前を変え、知らないご先祖様と死後をも共にすることが当然と思っている。今の時代の婚活で、同居希望や仕事を辞めて田舎に来てくれて、跡取りを産み、墓を守ってもらうことが当たり前と思っている男たち。女子たちの感覚とズレていることを理解できていないから、うまくいかないのは当然です。

婚活を始める時に必ず「なぜ婚活がうまくいかないのか理由はわかっていますか?」と聞きます。ほとんどの男は自分に理由があると思っていません。自覚が全くないのです。

自覚とは、『自分自身の置かれている状態や自分の価値を知ること。』本来は仏教用語で漢字のまま、”自ら覚る”ことを言うのです。

相手にばかりに求めるのではなく、自分の価値を知ること。ツラい作業ですが、価値をわかっていないからこそ叶わない夢のような条件を悪気もなく言っているのです。少子化対策としてどれだけ税金を投入して出会いを作っても、補助金などをサポートしても、個々の自覚と過去の固定概念を修正しないことには結婚できない人はできないままだと思うのです。

まずは異常気象も婚活も”自覚”から始めていかないと何も変わりません。

異常な夏なのに、クーラーは贅沢品や冷えて体に悪いという昔の固定概念のままだからこそシニア世代の熱中症搬送が多くあります。今後昔のような朝晩涼しく穏やかな夏はやってこないと思います。昔はよかった、今までに経験のないことなどと言っていないで、異常気象や異常婚活を受け入れて対策していきましょう。暑さはお盆までではなく、まだまだ続きそうです。

この原稿を書いている途中で妹の夫から、「自宅で妹が倒れて救急で病院に搬送された」と連絡がありました。妹は救急車を呼ぶことを躊躇し、近くの町医者に行こうとしたというのです。救急車で搬送してもらい、意識は朧気とし何度も吐いた為、脳梗塞を疑われました。検査をした所、脳には異常が無く一先ず入院や投薬なく帰ってきました。

本当に何か起こる時は突然です。健康に気を付けていても、家族が周りにいても、倒れて助かる時もあれば助からない時もあります。人生で死に方は選ぶことができません。こう書きながらも私自身は大丈夫なんて思ってしまっています。まずは自覚からですね。暑い夏を無事乗り越えましょう。