『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。
名古屋で結婚相談所を始めて13年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、5年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。
本エッセイでは、婚活に奮闘している男性に向けて、時には辛口な𠮟咤激励を飛ばしていきます。
心地よい秋は一瞬で通り過ぎていき一気に冬がやってきましたね。実は婚活業界では今の時期が一番盛り上がります。それは何故か……来月はクリスマス、年末年始とイベントがあるので、その行事に向けて「お相手を探しましょう」と婚活パーティー、見合いと、期限を設定しやすいからです。

婚活は、自ら動かないと何も始まらないですし、お断りや失敗がいやで、メンタルが削られると先送りしがちです。でも婚活も仕事のように期限を設けて逆算することはとても大切なのです。
また婚活は仕事のように一人ではできないし、相手があってのことだからできない、という言い訳拗らせ男女も多くいます。しかし婚活だけでなく、仕事も生活も一人では完結できないことばかりです。周りのことを考え、自分の役割や状況を把握していくことは婚活には本当に必要です。
とかいいながら、クリスマスは恋人と過ごす季節といつまで昭和世代は思っているのでしょうか?とも思います。今の時代、友達や仲間と過ごす方がいいというのが多数派かも?固定概念を変えていかないと、とも思っています。
最近のこと、岐阜県・長野県・新潟県・山梨県・静岡県と地方の山間部へ行きました。どの地域も駅前は多少賑やかで人通りもありますが、夜はほとんど人影もなく静かな地域です。シニア世代が多く、昼間は学生や若い世代がいないからなのか会うことがありませんでした。そんな地域の実家暮らしの男性宅へ行くことが目的です。
なぜ実家まで行くのかというと、私がお手伝いしている国際結婚の場合、オンラインお見合い後、LINEグループの中で毎日やり取りをして関係性を深めていきます。そして私がデートの日程を調整し、集合場所からデートコース、来店するお店も決めていきます。
なぜかというと、交際経験のない男性に任せておくと日程が決まらず、どこに行ったらいいのかわからず、いつまでもデートに辿り着かないからです。デート日が決まると当日もデートに引率します。初デートは楽しく過ごせるようにサポートしているのでほぼ99%満足してもらっています。そして大切なのはここからです……。
恋愛慣れ、女性慣れしていない男たちは、またデートをしたいとなりますが、2回目にデートではなく『実家訪問』をしています。
なぜかというと、恋愛ではなく、結婚相手としてアジア女子を紹介しているからです。恋愛で知り合ったのなら何回もデートを楽しめばいいのですが、結婚して田舎で同居希望となると、男性の家や家族、地域を見ておかないと、先に進んでも「思っていたのとは違う」「親が反対」となると、付き合った時間が無駄になってしまうからです。
男性は躊躇します。しかしここが人生の分岐点です。親に言える人と言えない人。そして言ったけど反対されて終わる人、親は心配したけれど会ってほしいと言った人。今後の人生が変わっていく瞬間です。男性も緊張しますが、アジア女子たちだって緊張します。ここで顔合わせができ、お互いがわかると親たちは想像よりかわいくて日本語もできる女子に安心します。その時の男性のホッとした安堵の顔は何度見ていても感動します。
そんな目的で様々な県の実家暮らしの男性宅へお邪魔していますが、お互いが想っていてもうまくいかない場合もあります。それは実家が汚い場合です。突然訪問する訳ではなく、前もってしかも日数的にも余裕を持って行くようにしています。それなのに、玄関はごちゃごちゃで靴を脱ぐスペースもなく、通された仏間や客間は隅に物が積まれ、湯飲みは茶渋で茶色に、何よりも窓を開けて空気の入れ替えをしていないのでしょう。独特の臭いがあるのです。完璧にきれいにしてほしい訳ではないのですが、この家に住むのかと思うと、嬉しい気持ちにはなかなかなれないと思います。

片付けができていないというか、これが日常の室内の風景である親子にとっては、きれいに整えるというのがどういう状態のことであるか、気付くことができないのだと思います。断捨離や片付けブームですが、家が整っていないのは、その家の人の思考が散らかっているからで、それは”今”という現実に向き合えず、”未来”の理想を先送りしているからではないかと思っています。嫁が来たら、結婚が決まったら片づけるのではなく、現状の生活を整え、家の中を整えよう、と意識を変えるだけで人生は変わると思うのです。
婚活の条件では年収や学歴なども重視されますが、何より大切なのは”清潔感”!これは当たり前すぎて条件に入っていませんが、清潔感のない男性は問題外ということを男性はわかっていますか?
いくら新品のスーツを買っても、お見合い前に鼻毛のチェックをしていても、日頃のだらしなさは滲み出てきます。
清潔感は1日では身につかないのです。男性とオンライン練習時にフィルターなしで部屋を見せてもらうのですが、洗濯が干しっぱなし、布団が引きっぱなし、カーテンが外れている、飲みかけのペットボトルが散乱、オンラインだからとズボンをはかずにパンツ一丁と、ツッコミどころ満載です。
他人が自分の部屋に入ることがないから、リアルな日常がでてしまいます。これが日常の男性。恋愛がうまくいくでしょうか?
もっとひどいのは、食事の写真をLINEの話ネタに送ってもらいますが、毎日毎日コンビ二弁当やスーパーの値引き総菜が日々の夕飯、欠けた茶碗に食卓はぐちゃぐちゃ、せめて写真を撮る時に周りの物を片付けるとか、コンビ二弁当だけが悪いわけではありませんが、自分の身体のことをしっかり考えている人を結婚相手に選びたいのが女性の本音です。不健康や健康意識が低い人の意識を変えるのは大変で、結婚したら日常がズレていることはかなりのストレスになります。
最近の親と同居男性の小言は「親が認知症になり世話が大変」と言います。認知症は突然やってくるわけではないのです。認知症の初期症状は片付けができない、料理の献立が考えられない、同じものを買い込む、身支度が面倒になるということが多く、「あれ?年を取ったからなのか」と思うのですが、ジワジワと通常の生活を侵食していきます。義母がまさに、この症状が出てきました。あれだけ料理上手だったのに今はレンジでチンしかしません。同じものを買い込んで作らないのに冷蔵庫や冷凍庫は食品が満杯、いつも机の上は物が溢れています。一番は身内が「あれ?」を認めないのです。「たまたまだね」「忘れがちかな」と現実逃避をしています。ふと、認知症と婚活の拗らせは似ていると思ってしまいました。今の現状が「おかしい?」と思うのは家族では気づきにくいのです。自分自身や家族の老いは待ってくれません。
最近義父が義母のことをよくお世話してくれているおかげで、冷蔵庫は平穏になり、台所に立たない昭和男は料理をするようになりました。今を受け入れて変化に対応する力こそ必要なことだと痛感中です。実際、自分自身は気づきません。誰か……気づいてくれる人が隣にいてくれるといいですね。
大掃除の季節になります。身近な場所から掃除をしていくと変化が起きるはずですよ。

