「こども部屋おじさん」って知っていますか？

先生のための結婚相談所、仲人の増田朱美です。

今回のタイトル、「子ども部屋おじさん」って知っていますか？

これは、「社会人になっても親元を離れず、実家の子ども部屋に住み続けている中年独身男性」のこと。ネットで話題になった造語です。おじさんだけではなく、おばさんも多く生息しています。

実家はラクで、家賃もいらず、ご飯の支度から洗濯、掃除までしてくれる。更に駅までの送り迎えもしてもらえ、本当に至れり尽くせりです。

バブル時代に“アッシー”、“メッシー”、“みつぐ君”がいたけれど……、今は全て親がやってくれるのですね。

私の結婚相談所にはご本人からの相談もありますが、親御さんからの相談も多くあります。

親御さん達は皆、口を揃えて言います。「こんなはずじゃなかった」と……。

自分達はそんなに苦労もせずに結婚をし、子育てをして今に至るけど、まさか子ども達の面倒を高齢になってまで見ることになるとは思わなかった。結婚する気配も全くない、しかも結婚のことを言おうとすると、子どもからキレられてしまうというのです。

せめて家を出て行ってほしいけれど、子どもの少ない給料で家賃を払って三度のご飯がちゃんと食べられるのか、だったらこのままでいいのかなとお母様方は大切な中年独身おじさんのことを本気で心配しています。

挙句には、結婚してもお小遣い制になっては可哀想だし、仕事と家庭の両立なんて難しいし、今は仕事が忙しくて休みは寝てばかりだから結婚なんて難しいかもですね、と人生相談で終わってしまう時や婚活をさせたいけれど、親からの希望としては共働きしながら家の事をやってくれて、どちらか介護が必要になったら同居か近くに住んでくれるお嫁さんっていませんか？できたら若くて素直な女性で……などと悪びれる事もなくおっしゃいます。

しかし、これは息子（おじさん）の場合です。もし娘（おばさん）では、この条件は真逆になります。

娘の場合、同居は絶対ＮＧ！理由は自分が姑で苦労したから同じ苦労はさせたくない。そして年収が良ければ勿論いいけれど、それよりも“普通”の人でいいんですと、これまた同じことを皆さんおっしゃいます。

“普通”ってなんでしょうか？と尋ねると、真面目に会社勤めしていて、趣味や飲み代にお金をかけず、子どもができたら面倒をみて、大声を上げたりせずに娘とうまくやってくれる人だと言います。要はきちんとした会社の正社員で、無趣味で、温厚なうえに家事をやってくれる人、ということです。これって普通でしょうか？

自分勝手な希望条件をいう親御さんたちは、自分たちがしてきた失敗を子供にさせたくないのが本音なのかもしれません。

親はいくつになっても子どもの事はかわいいですし、心配な存在です。しかし、順番からいってずっと面倒を見ていくことはできません。子どもたちのお世話をすることより、多少大変でも苦労しても自立させないと大変な目に遭うのは子ども本人なのです。

子どもが生き甲斐になってしまうと、子どもがいなくなることが不安になり、自分の思い通りになるような子育てをするようになってしまい、本末転倒です。子離れのできない親がすべての元凶になっています。

「子ども部屋おじさん」は婚活市場では人気がありません。おじさんの面倒を親の代わりにみてくれるような奇特な女子はいません。また自分のお給料を三食昼寝付のラクな生活をしていこうと思っているおばさんと結婚してくれる王子様のような男子もいません。

今後「子ども部屋おじさんやおばさん」の急増により、生涯独身でいる本人も困りますが、自立して子育てしている世帯に負担が重くのしかかると日本の“国の存続危機”があると警鐘を鳴らす人も多くいます。

「可愛い子には旅をさせよ」は先人の知恵がつまったことわざだと思います。今のように交通機関が発達していない頃、旅は楽しいことではなく大変なことだったことから、自分の家を出て馴染みのない土地で暮らすことは苦労や困難も多いが、子は親元を離れ辛く苦しい体験をしてこそ成長するものだという教えが伝えられているのです。

類義語に「親の甘茶が毒になる」とあります。親から甘～い甘～いお茶をたくさん飲ませてもらっていませんか？それが気付かないうちに毒になっていくことに気付いていますか？まずは親から毒を盛られていると気付くこと、自分のパンツは自分で洗う事、洗濯をしていくと、人生は“選択”の連続だとわかってきます。

今のラクしている選択は合っていますか？狭い子ども部屋を少しずつでも抜け出していきませんか？中年になったあなたにはもう少し大き目な部屋が必要です。

先生のための結婚相談所　婚活講師
一般社団法人ブライダルアライアンス　理事