今日は、2020年11月5日。昨日から日本でもアメリカ大統領選の開票速報が各メディアで流れています。一夜明けた現在、バイデンさんが優勢と報道されていますが、穏やかに幕引きとはいかない選挙戦になりそうですね。
11月に入り、街中の木々も落葉、紅葉し、東京もすっかり秋めいてきました。
外に出て、マスク越しに大きく息を吸うと、すーっと冷たい空気が身体の中を通りぬけていきます。秋晴れの真っ青な空とひんやりとした清々しい空気。日本は今、本当に過ごしやすい季節です。
さて、毎年この時期になると、市民ランナーたちは、「今季はどこのレースを走ろうか」と、専用のサイトを探りならエントリー先をみつけたり、人気のレースだと抽選結果に一喜一憂したりするのですが、今年は、日本も海外も大きなレースは全てコロナのせいで延期や中止を発表しています。
まぁ、予想通りと言ってしまえばそうなのですが、何となく目標を失った気持ちにもなってしまいます。
その反動もあって「次は、ハワイだ!ホノルルだ!」と、夢を膨らませています。
鬱々とした気分になることが多い中、ランニングで汗をかきながらそういうことを考えている時、私は一番平和です。
私は、ワールドマラソンメジャーズ(世界6大マラソン/ニューヨークシティー2013・ロンドン2014・ボストン2015・ベルリン2015・シカゴ2016・東京2017)を走りました。
2020年10月に開催されるはずだったシカゴマラソンは勿論中止になりましたが、ここ最近ずっとアメリカ大統領選のニュースでトランプさんの姿にふれる度、シカゴマラソンのことを思い出していました。
というのも、シカゴの街の中心にあるトランプタワーを目の前にしたとき、おのぼりさんの日本人である私は、そのあまりのインパクトにだたただ圧倒されて鳥肌が立ち、「あ、アメリカ、で、デカいな」と、息をのんだのです。
建物だけでなく、ハンバーガーもコーラも、なんでもかんでもデカいイメージのアメリカですが、イメージだけでなく実際シカゴのビル群は1871年の大火事以降に整備され建築されたものが多く、それもあって建物の1区画もケタ違いに広く超高層なものが殆どで、摩天楼の代名詞とも言われているほどなのです。
でも、そんなに大きなビルがたくさんあっても、ビル名がデカデカと目立つように標記されているのは、トランプタワーだけだったような記憶です。NY五番街のトランプタワーもそうでしたが、とにかく目立つトランプタワーは、否でも応でも街のシンボルビルになっていました。
ミシガン湖に面した風の街を走りぬける
さて、私が感じたシカゴマラソンについてここに書かせて頂きましょう。
まずは、コース地図をご覧下さい。
摩天楼の代名詞、シカゴ。そして、もう一つの特徴は、この地図の東側、ミシガン湖に面した場所であるということです。ミシガン湖といえば、中学校の地理で勉強した 五大湖の一つ。その中でも、唯一カナダと国境を接しない湖。世界で5番目に大きな湖としても知られています。
実際のコースは、平坦で走りやすく、湖沿いは走らないので、水辺を感じることはありませんが、シカゴはミシガン湖から季節風が吹き付けるため、英語で「風の街」(Windy City)とも呼ばれていて、そういう先入観もあって、レース中に吹く風が私にはとても心地のよいものでした。
「シカゴ劇場」などの観光名所を走りぬけるコース
海外の大きなレースを走ると思うのですが、必ず、「ここ、知ってる!」という景色をみせてくれます。シカゴといえば、「シカゴ劇場」がその筆頭。
シカゴ劇場は観光名所でもある歴史ある劇場ですが、さすがにここを通りぬける時は、ランナーのテンションも最高潮に上がり、ファンランをしながら劇場をバックに記念撮影をするランナーもたくさんいます。
風景もそうですが、何より、殆ど奇声といってもいい「ヒュー!ヒュー!」という街頭の人たちの声や、楽器の応援にも圧倒されます。
私はといえば、フルマラソンは何度経験しても緊張する挑戦です。まだレース序盤で登場するこのシカゴ劇場あたりでは全く余裕もなく、とにかく先を急がねばと思いながらでしたが、やはりは心と身体は正直……、「ここまでやってきたんだ!この場所を走ることができている」という高揚感で思わずウルっとしてしまい、呼吸を乱してはいけない、と、大きく、大きく、何度も深呼吸をしながら走りぬけました。
言うまでもなく、こういう経験はその瞬間そこでしか味わえないものであり、その記憶はとても鮮明で、今でも日常の中で慣れたランニングコースを走りながらよく思い出します。
そう、心はいつだって自由。いつか行ったあの場所へいつだって行くことができるのです。
だから私は旅が、旅RUNが好きなのかもしれません。自分の目でみた景色、そこでした経験は人生を力づけてくれます。
レースの後は、名物のシカゴピザで乾杯!
シカゴマラソンは世界6大マラソンの中でも、平坦でとても走りやすい印象でした。
また、スタートとゴールは同じ場所、街の中心地にあるグランドパークという公園なので、地理的にもとてもわかりやすく、レースが終わった後も迷子になる心配がなく安心です。
そしてもうひとつ、旅RUNの楽しみといえば、やっぱり食べること!シカゴに行ったら、シカゴピザ!これは欠かせません。
シカゴピザのお店は街のいたるところにあるのですが、その特徴は、生地が厚く、ずっしりとしていて、中にミートソースがたっぷり入っているのが定番。そして、大きさもビッグサイズ!チーズたっぷりで、これぞアメリカンという雰囲気です。
私はシカゴにいる間、美味しいと評判の有名店と街中によくあるチェーン店の2店に行ったのですが、正直、そんなに変わりがなかったです(笑)。
シカゴの印象は?と聞かれると、トランプタワーのインパクトに始まり、大きなビル群に大きなピザ、なんだか「アメリカはデカかった」と言ってしまいそうな自分がいますが、アメリカ三大美術館の一つであるシカゴ美術館や、シカゴ現代美術館もあり、文化的な楽しみを味わうこともできます。
きっと人によっては、これぞアメリカ!という旅を楽しむことができるのがシカゴなのかもしれません。
日本の秋のひんやりとした空気と、シカゴマラソンで感じた空気はよく似ています。
今日は、シカゴマラソンとトランプタワーを思い出しなら走ることになりそうです。