NHK大河ドラマ特別展『西郷どん』東京~大阪~鹿児島で開催。

2018年NHK大河ドラマ『西郷どん』を毎週楽しみに観ている方も多いかと思います。
歴史上の人物を描いたものなのでそもそも結論はわかっているわけで、ドキドキ、ハラハラはしないかと思いきや、それでもやはりドラマになっていると西郷隆盛という人物とその激動の人生に改めて驚くし、益々興味が沸くものです。
先日のこと、東京、上野にある「東京藝術大学大学美術館」にて開催中の『NHK大河ドラマ特別展・西郷どん』に行ってきました。館内には、西郷さんゆかりの様々な資料が展示されていて、改めてその人物像に触れることができ、とても見応えのあるものでした。

館内は意外にも空いていて、ゆっくり、じっくりと楽しむことができました。ドラマで大久保利通役をされている、瑛太さんのイヤホンガイドから流れてくる説明にもリアリティがあり、歴史の理解度が深まるので、行かれる際はイヤホンガイドのレンタルもお薦めします。

展示物の中に、かなり大きな筆書きで西郷さんの“座右の銘”としても有名な言葉、『敬天愛人(けいてんあいじん)』と書かれたものがありました。(※西郷さん直筆のものです。)
解説のパネルには、(この世に起こる事、災いや争いも含め、それは天によっておのずと定められたことである。たとえ自分や自分のまわりにいる人たちが争い事の一端を担ったとしても、それは天命であるのだから人を憎んではいけない。他人を心から愛し、自分を心から愛しなさい。)のような意味である、と書かれていました。
実のところはよくわかりませんが、何となく私のイメージでは、この時代に生きた男が『愛』なんていう言葉を発することすら気恥ずかしいような、そんな時代だったような気がするのです。そんな時代に生きた西郷さんが、藩命により奄美大島に潜居した際に結婚した島妻(※ドラマでは、二階堂ふみさんが演じています。)に付けた名前も「愛加那(あいかな)」さん。つまり、『愛』だったのです。元の名前は「とま、とぅま」でしたが、ドラマの中でも、結婚する際、とぅまさんに「私に名前を付けて下さい」とお願いされ、西郷さんが、「愛だろっ、愛!」という感じで?少し照れくさそうに名前を付けるシーンが印象的に描かれていました。

『敬天愛人(けいてんあいじん)』もそうですが、正しいかどうかは置いておいて、私の中での西郷隆盛像のひとつに、『愛』を語る“ロマンチスト”というのがすっかりできあがってしまいました。
そしてやはり、愛を語る強い男こそがいつの時代もモテる、それは、”人たらしの極意”であることは間違いないのではなかろうかと思ってみたり……。
館内のエピローグパネルに、後に西郷さんが命を絶つことになる西南戦争について書かれてあり、そこには、沢山の困難を乗り越え、世の先を見る目に優れていたとても頭のいい西郷さんが、なぜ勝ち目のない西南戦争の旗振り役をつとめることになったのか、その理由が書かれていました。「あなたはきっと最初から、その戦が負け戦になることをわかっていて、でも、それでもそうせざるをえなかったんでしょうね」とも。私はそのエピローグパネルの文字を追いながら、”敬天愛人”とはそういうことなのかなぁと思ったのでした。
西郷さんの『愛』に触れられる特別展へ、ぜひお出かけ下さい。

NHK大河ドラマ特別展・西郷どん』開催のご案内
★東京展:東京藝術大学大学美術館(会期:2018年5月26日~7月16日)
★大阪展:大阪歴史博物館(会期:2018年7月28日~9月17日)
★鹿児島展:鹿児島県歴史資料センター黎明館(会期:2018年9月27日~11月18日)

毎週ドラマを観た後は、撮影秘話など盛り沢山のNHKwebサイト『週刊 西郷どん』もお薦めです。
『週間 西郷どん』※週1回更新。