『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。
名古屋で結婚相談所を始めて12年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、5年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。
本エッセイでは、婚活に奮闘している男性に向けて、時には辛口な𠮟咤激励を飛ばしていきます。

新年の恒例行事、2025年の目標を立てましたか?やりたいことや前向きなことを考えることができるのは、心身共に健康で、今の生活に多少なりとも満足しているからではないでしょうか?
私自身はこれまで、毎年新年を迎えると100個やりたいことを掲げ、元気に新しい年をスタートさせていましたが、今年はどうもヤル気が沸きません。気力が無いのです。
理由はわかっています。昨年は立て続けにトラブルやクレームが発生しました。結婚というハッピーなことを生業にさせてもらっているので、いつもは幸せな気持ちをお裾分けしてもらっているのですが、一つ男女の仲が壊れると複雑です。
特に、国際結婚の場合は言語や外国という問題が出てきます。話し合うにも言語が通じない、帰国すると帰ってこないことがあります。しかし、これは国際結婚だからではなく、日本人同士でも同じことがあります。
以前、日本人同士を取りまとめていた時にあった件で、長い交際期間を経てプロポーズし、いろいろ2人で準備したのに、新居に住んで2日目に実家に帰ってしまった女性、その後何度連絡をしても一切返答がないことがありました。
日本人だから分かり合えて、外国人だから分かり合えないではなく、わかりやすく説明することを面倒としないこと、愛情表現をすることは、結婚して一緒に生活していく上でとても大切なことです。
年末にある男性が一方的に婚約破棄してきました。国際結婚の場合、親の反対などから婚約破棄はあることなのですが、その場合は話し合いをして双方が円満に終われるようにしていました。しかし、今回は話し合いにも応じず、この男性と揉めに揉めて引きずっています。
婚活業界にいて10年以上様々なことがありましたが、今回最大の怒りとストレスを感じています。しかし、冷静に考えると初めてのオンライン説明時、その後のLINEでのやり取り、そして実際に会った時からずっとその男性は人としての言動に違和感がありました。
違和感を引きずったまま交際が進み、プロポーズして、親への挨拶時、親も失礼な態度をとったことなど、思えばずっとその男性は超心配性で隠し事が多く、他人の意見に耳を貸さず、会社や地域からも疎外されていて、いつも他責思考だったのです。
そんな男性に電話をすれば罵倒され続け、警察まで巻き込み、結局アジア女子は結婚も仕事もなくなり、本人だけでなく家族も傷付きました。男性に対してムカつくし、何とかしてやろうと意気込んでいましたが、そもそもそんな人を紹介してしまった責任は私にあります。
途中何度も止めることができたはずなのに……。そう考えていたらこの仕事を続けてもいいのだろうか?そもそもこの仕事に向いていないのかもしれないと思い、夜な夜な悩み続け、年明けもすっきりしないままなのです。だから今年の目標どころか、気力もなく鬱々としているのです。
今までの自分なら「私は正しい!間違っていない!やり抜く!」と意気込んでいました。今までは若さもあったのかもしれませんが、今回初めて自分自身のやり方や考え方を顧みることをしたような気がします。
誰も皆、自分は間違っていないと思いがちなので、その男性と私のやりとりは平行線です。今回の一件については、こうならない為にどうすればよかったのか、今後はどう対応すればいいのかを考えるいいきっかけになりました。
そして自分一人の考えでは固執しそうなので、仲人仲間にも相談し、弁護士さんに新たな契約書作成をお願いしています。第三者のしかもプロを入れることで、正解と思っていたことも自分の固定概念だったと気付きました。結婚は男女のことや家族間のことでついつい”感情”が噴き出てきます。感情だけでは解決できません。感情を全く出さないのではなく、感情だけに巻き込まれないようにして仕事として冷静に仲介できるようにしていきたいと思っています。
小さくても自分で仕事をしているので、売上目標も毎年立てていました。開業してからずっと右上がりの売上目標ってどうなのだろう?とふと疑問も湧きました。目標や志を高く持つことはいいことですが、その売上に理由はあるのか、数字だけでの売上にはなっていなかったか、本当にやりたいことは何なのか?いつもと違う年のスタートでしたが、何かが起きないと考えなかったことです。
いつもは𠮟咤激励の私ですが、人間いつも元気で気力100%でないことを今更ながら経験しました。人生も売上目標も右上がりばかりではありません。落ちたり上がったりがあるからこそ、いいことも嫌なこともわかるのですね。すぐに動くことができない男性の皆さん、お気持ちわかりました。今年は後ろ向きではなく前向きに考えるきっかけのお手伝いをしていきます。

イチローさんが日米野球殿堂入りの時、満票にならず1票足りなかった時のコメントが今の私に響いたので掲載します。数々の偉業を成し得た人のこの謙虚さとハングリーさ。見習いたいです。
「1票たりないということは、凄く良かったと思います。しかもジーターと一緒。足りないものを補いようがないですけど、努力とかそういうことじゃないからね。いろんなことが足りない。人って。それを自分なりに完璧を追い求めて進んでいくのが人生だと思うんです。これと、それとはまた別の話なんですけど、不完全であるというのはいいなって。生きていく上で不完全だから進もうとできるわけです。そういうことを改めて考えさせられるというか、見つめ合える。そこに向き合えたのはよかったなと思います。」