『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。
名古屋で結婚相談所を始めて13年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、6年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。
本エッセイでは、婚活に奮闘している男性に向けて、𠮟咤激励を少々飛ばし、寄り添いながら結婚・家族・人生について一緒に考えていきたいと思います。
先日、名古屋から東京へ行きました。二日間で品川から始まり、新橋・新宿・霞が関・銀座・大手町・東京駅と移動し、どこもお祭りのように人が多く、そして4月ということもあり真新しいスーツを身に纏った男女が多くいました。

誰もが新入社員の時があります。私も34年前、希望していた業種に入社することができ、心踊る気持ちで出社したのを覚えています。大学入学時はバブル全盛期でしたが、就活前にバブルが崩壊し、それまでは有名企業や上場企業の多くが新卒採用をしていたのに、私が大学4年生の説明会には「女子大生は採用の予定がないので会場から退出してください」とアナウンスがあったのを忘れもしません。日本独特の新卒採用や終身雇用前提採用は、時代の景気や流れにいつも振り回されます。
そして売り手市場と言われている今年、大学4年生になった息子がまさに就活をしています。そして先日、就活中の息子から衝撃の告白がありました。今年就活しても2028年入社ではなく、翌年の2029年入社になると言うのです。俗にいう29卒です。
なんと、大学4年生の就活ではすでに遅いと知っていましたか?もちろん様々な企業があり、今からスタートも可能です。しかし、この売り手市場や人材不足と言われている時代でも、多くの大学生が入社したい人気企業や上場大手企業は、いつの時代も狭き門のようです。
政府は就活を大学3年生3月解禁、としているそうですが、今はインターンという私の時代にはなかった仕組みがあり、当時の青田買いに近いイメージなのでしょうか、企業は優秀な学生を早く確保したいのです。そしてこのインターンが超激戦だと知り、ESというエントリーシートの作成や企業からの課題のレポート提出等々、応募してもエントリーまでに時間も労力もかかるのです。
私の時代は手書きの履歴書でしたが、いまや生成AIに頼めばすぐにきれいな文章を作ってくれそうです。しかし学生はすでに生成AIを使いこなしているからこそ、他と同じようにならないように自分自身を分析をし、企業の分析をし差別化しないと残れません。ES(エントリーシート)への記入は自己PR・志望動機・ガクチカが必須です。ガクチカとは学生時代に力を入れたことらしいです。この言葉の意味さえ知りませんでした。

大学生時代、サークルや部活・留学はだれもがしています。ガクチカでアピールする場合、自分は何をしてきて何ができたできたのか、またできたことがどれくらいの比率だったのか、その中から得たことや反省点などを分析できているのかを自分の言葉で書いても、面接はオンライン越しのAIだったり、グループディスカッションでリーダーやまとめる力を見られたりと、聞いているだけで挫折しそうです。
大学進学が当たり前の世の中、だれもが名のある有名企業や大手上場企業を目指して就活をします。しかし、やりたい仕事や職種があるという大学生は、そう多くないのでは?なんとなく大手に行きたい、大手に入れば家族や周りから評価され、年収や福利厚生は保障されると思っている傾向もあり、また親が大手企業思考ということもあります。親の昭和時代は終身雇用で入社したら定年まで時間を会社に費やすことが一般的でした。しかし今の時代は大手だからといってもわからない時代です。会社でのやりがいよりも社外での時間を重視する人も多くいます。
息子はラクロス部に所属し、ほぼ毎日練習、週末は大会や練習試合、ミーティング・筋トレと大学時代をラクロスに捧げています。東京都内での一人暮らしを満喫してバイトやサークルで青春を送るのかと思っていたのに、まさかの大学に入ってまで厳しい体育会系の部活をやるとは、親は想像していませんでした。部活が忙しい中でも昨年3年生からの就活をスタートし、希望していた業種はインターンに落ちまくり、希望していた職種もいいところまでいったけれど落ち、すっかりやる気を無くしていたのでした。気を取り直して、この大学4年生の就活。ここからがスタートと昭和、いや平成の就活しか知らない親は思っていたのでしたが、そこで大手企業の就活はすでに終わっていたことを知ったのでした。

就活って婚活とよく似ているなと思ってしまいました。これだけ独身の男女がいるのに、人気の男性女性には多くの申し込みがあり激戦です。親の時代にはなかったスマホやマッチングアプリがあり、結婚相談所は家柄重視のお見合いでなく、何万人も登録しているシステムで検索して、自らがお見合いを申し込みできる時代。そもそも親の時代の価値観と違っています。就活も婚活も親が今の情報を知ることで、大手絶対思考を見直し、男女共に働かないと厳しい時代という認識を持つことの大切さに改めて気付きました。
仕事がすべてではないけれど、人生の大半の時間は仕事をするからこそ、どの会社に入社するかで生き方は変わっていく、結婚も同じで相手によってその後の人生がどうなるのか、大きく変わりそうです。
就活で何十社から不採用を出されて内定がもらえないのは、誰からも必要とされていないと思ってしまうのと、婚活で何十人とお見合いして申し込みを断られ続け凹む気持ちと同じなのだと思います。
しかし、そもそも何十社や何十人と申し込みする前に、自分自身の分析はできていたのでしょうか?自分の得手不得手がわからず、大手だから、年収がいいからと選んではいないでしょうか?
婚活に関しては顔だけを重視する人がいます。顔に拘るだけの理由が説明できない人がほとんどです。結婚相手を探しているはずなのに、恋愛を求めているから見た目だけに拘ってしまう。結婚相談所では恋愛向きな相手ではなく、結婚に向いている相手が多くいるのに気付かないのです。
婚活も会社も自分から選んでいるようで、相手側から選ばれないことには何も進まないのです。今の時代、相手や会社と一生添い遂げるというより、むしろ離婚や転職の敷居が低くなっています。選択肢が多くてやり直しができるのは自由のようですが、実は本人の頑張り次第で大きく影響してしまう人生。だからまた面白いのかもしれないですね。
似ている婚活と就活にも大きな違いが一つあります。それは、新入社員という時期があることです。学生から社会人になる一定の期間で何もわからなくても許してもらえて研修などで教えてもらえる時です。就活もそうで、同時期に一定数の学生が動くのですから、激戦にもなりますね。
婚活の場合、新卒はありません。初婚と言えども何歳からでも婚活をスタートすることができます。自分は初婚だから絶対失敗したくないと何年も何十年も巡り合えない相手を探し続けてしまいがちです。期限があるかないかということは人生においてとても重要です。期限を決めないから選んで迷って決められなくて先送りしてしまう。まずは自分自身を振り返りスケジュールを見直し仕切り直していくことが大切です。
ここで比べるわけではないのですが、息子と同じラクロス部の学生、留学をして単位もすでに取り、大手企業に内定済みの学生もいるのです。この違いはどこから来るのでしょうか。親はついつい比べて口を出したくなる生き物ですが、本人が自覚し自分の頭で考え失敗や体験を経験しないと成長はしません。言いたいことは山ほどあるのを堪えて見守っています。あ……、でも言ってしまいそう。

