ヘアスタイルって、まるでファストファッションのよう。スキニーパンツが流行ったと思えば、次の年にはワイドパンツに代わり、ピチピチのパンツを履いている人はダサいと言われてしまう。今はツーブロックだけど、次はドレットヘアになっているかもしれない。いつの時代も、その人の髪型を真似れば”間違いない”ロールモデルがいて、迷うことなく皆んな同じ髪型にする。なんかそれって他人のカツラを被っているみたい。
毎朝のセットって面倒くさいと思う
いくら有名な美容室でカットしてもらっても、結局は最後にワックスを使わないとイメージの髪型にはならない。ツーブロックなんてしたあかつきには、ワックスをつけなかったら、ただの坊ちゃん刈りに見えてしまう。
私は朝がすごく苦手で、1分1秒でもベッドの中で過ごしたいと思ってしまい、いつもギリギリの時間にならないと身支度ができないのだが、そんなときに面倒に思うのが、髪のセット。ドライヤーで乾かして、ワックスでかたちを作り、ベタベタの手を洗うのが非常に面倒くさい。というか貴重な朝の時間に髪のセットに時間を割いてられない。(早く起きれば問題はないのだが…)美容師のヴィダルサスーンは、髪を洗って乾かすだけで、スタイリングが完了するという「ウォッシュ&ゴー」を提案したが、時代はそんな怠惰なスタイルは受け入れてくれないらしい。
無造作なヘアスタイルに魅力を感じる
みんな髪の毛に気を使いすぎてる気がする。流行の髪型でワックスを使わないと外を歩いちゃいけないような、というか髪型に気を使ってない人は清潔感がないみたいな、脅迫概念に駆られているの? 髪型ってなんなんだろう。たかが人間の頭上に生えてる体毛にどうして流行や社会的不都合が発生するのでしょう。
自分の髪の毛なんだから、自分の好きなようにすればいいのに。キムタクのカツラやエグザイルのカツラなんか被りたくないです、わたしは。
なんか無理してるなぁ、頑張りすぎてるなぁと見える人は、他人のカツラではなく、”地毛”で勝負するべき。かっこよく見える人の共通するヘアスタイルは、その人の性格や職業、個性に髪型が似合っているだと思う。だからワックスで髪を固めなくたって、流行のヘアスタイルじゃなくたって、なんか魅力を感じてしまうのだ。特に無造作なヘアスタイルは、その人のキャラクターを引き立ててくれる気がする。例えば歌舞伎町で働くツンツン頭のホストよりも、ゴールデン街で働く深夜食堂の小林薫の方がイケテルということだ。
文 / RYO KANEKO