2017年現在、人間国宝と呼ばれる方々が何人いるか知ってますか? 答えは115人。実は人間国宝には定員がありまして116人までしか枠がありません。これは国家予算が決まっているためです。人間国宝に認定されると年間200万円の補助金を交付されるので定員が定められているわけですね。
2017年9月20日(水)より10月2日(月)まで日本橋三越本店、本館・新館7階ギャラリーでは「第64回 日本伝統工芸展」が開催されます。約1,600㎡の敷地にびっしりと一般公募作品から選ばれた入選作品600余点、そして重要無形文化財保持者(人間国宝)の最新作品が一同に展示されるとのことです。
会期中には作家・人間国宝の方々によるトークショーや作品解説のイベント等盛りだくさん。毎日のように開催しているので、気になる方は要チェックです。
ギャラリートーク テーマ:「生活の中の工芸」
■本館・新館7階会場にて 各日 12時30分〜
・9月20日(水)【陶芸】神谷紀雄氏(陶芸作家)
・9月22日(金)【染織】二塚長生氏(重要無形文化財保持者)
・9月25日(月)【漆芸】室瀬和美氏(重要無形文化財保持者)
・9月26日(火)【金工】大角幸枝氏(重要無形文化財保持者)
・9月27日(水)【木竹工】山崎剛氏(金沢美術工芸大学教授)
・9月28日(木)【人形】紺谷 力氏(人形作家)
・9月29日(金)【諸工芸】白幡明氏(硝子工芸作家)
本年度受賞者作品解説 ■会場内にて 各日 12時30分〜
・9月23日(土・祝)【漆芸】奥井美奈氏〈日本工芸会総裁賞〉
【陶芸】和田 的氏〈東京都知事賞〉
・9月24日(日) 【諸工芸】安達征良氏〈文部科学大臣賞〉
【染織】小宮康義氏〈日本工芸会奨励賞〉
【人形】小嶋香代子氏〈日本工芸会奨励賞〉
さて、重要無形文化財についてですが読んで字の通り無形の、いわゆる優れた技術や芸を持った人たちを国が認定した人を指し、これまでに合計360名の方が登録されていました。今年は新たに人形浄瑠璃文楽人形師の吉田和生さんをはじめ4名が認定されたニュースが新しいですね。重要無形文化財に認定されるメリットとしましては、これまでの業績が認められ広く認知されることと同時に、年間200万円の補助金が交付されることにあたります。市川海老蔵さんが「国から2億円もらえる」発言が話題になったことで、トリビア的豆知識として知っている方も多いんじゃないでしょうか。
よく「私達の血税でお金持ちの人間国宝の人たちに200万円も交付されるのはおかしいのではないか」という意見がニュースになるのですが、私は意外とそうでもないと思うのです。海老蔵さんみたいにタレント的人気がある人は別として、伝統芸能を職にしている方々のお給料で結構シビアとききます。お給料は会社と違い振り込まれる日が決まっていなかったり、口約束によるものがほとんど。さらにお金を包まないといけない機会が頻繁にあるそうです。
たぶん200万円の使い道についてが一番の論点になってくると思うのですが、血税が!とおっしゃる皆さん、ご安心ください。いわゆる遊びに使うお金は認められておらず、しっかり何に使ったが報告しなければなりません。もし違反があった場合は払い戻しの義務が与えられます。
それにものは考えようです。仮に200万円人間国宝の方に投資して、その人が1億円の価値のある作品を1年に1個作ったとしたなら、設けもんじゃないでしょうか。どちらにしろ我らの血税は無駄にならないわけです。それならいっそのこと防衛費予算5.1兆円をコッチに回したほうが世のため人のため、豊かさのためになるのではないかと妄想する私でした…
『第64回 日本伝統工芸展』 開催概要
会期:2017年9月20日(水)~10月2日(月)
会場:日本橋三越本店 本館・新館7階ギャラリー 〈入場無料〉
主催:文化庁、東京都教育委員会、NHK、朝日新聞社、(公社)日本工芸会
協賛:(公財)アサヒグループ芸術文化財団、(公財)岡田茂吉美術文化財団、(公財)五島美術館、パナソニック株式会社、(公財)ポーラ伝統文化振興財団
協力:マツダ株式会社、株式会社オープンドア
応募総数: 1533点
展示作品数: 620点(一般公募入選作品 534点、重要無形文化財保持者・審査委員・鑑査委員・特待者作品・遺作 86点)
お問い合わせ先:日本橋三越本店 03-3241-3311(大代表)
営業時間:10時30分~19時30分
HP:http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/dentoukougei/index.html
文 / RYO KANEKO