【連載×ますだあけみ】短編アニメ『マイリトルゴート』が教えてくれること~結婚相手を決めるのは誰?~

『型にはまらない結婚応援隊』隊長のアッキーです。

『マイリトルゴート』という約10分弱の短編アニメーションをご覧になったことありますか?goat(ゴート)とは、英語で動物のヤギのことです。

この映画、国内外で数多くの賞を受賞しています。一見モフモフのパペットで可愛らしいのですが、実は社会問題に向き合う、とてもディープなストーリーです。

発想の源になったのは、グリム童話「オオカミと7匹の子ヤギ」です。これは良く知られている童話ですよね。

お母さんヤギの言いつけを守らなかった子ヤギはオオカミに食べられてしまうのですがお母さんヤギが助けだし、オオカミのお腹に石を詰めて井戸に落ち、めでたしめでたしというお話でした。

『マイリトルゴート』はその後のお話で、親の過保護や愛情の善と悪について考えさせられる短編映画です。

今回は「親の過保護」について考えてみました。

『マイリトルゴート』あらすじ

『マイリトルゴート』はオオカミに食べられてしまった子ヤギを助け出すために母ヤギがハサミでオオカミのお腹を切っている場面からスタートします。

食べられてしまった6匹を順番に助け出しますが、最初に食べられた長男のトルクだけが見つかりません。見つからないのでなく、もう消化されていたのです。

この裂いたお腹から血だらけになった子どもを助け出すシーンはパペット人形とは思えない迫力です。

その後、現実が受け入れられないお母さんヤギは森で迷子になっていた人間の子ども、夏希と出会い、トルクだと言い聞かせてそのまま家に連れて帰ります。

子ヤギ達との対面で夏希は驚きます。なぜならば、助け出された子ヤギ達は溶けた皮膚や歪んだ顔でした。

お母さんヤギは子ヤギ達に自分の姿を見ないように鏡を隠したり、外の世界は危ないからと家から出さない状態にしてずっと過ごさせていたのです。

そんな時にオオカミがやってきます。このオオカミは実は夏希のパパなのですが、夏希を連れて帰ろうとし、それを子ヤギ達が必死に闘い守ろうとします。

夏希は夏希で実の父から過度な愛情を受けて逃げ出してきたのでした。

闘っている最中にお母さんヤギが帰ってきます。ここから先はネタバレになるので、ショートフィルムをぜひご覧ください。

ハッピーエンドで幕引きにならない映画です。

ご視聴はこちら★

親の過保護は罪になる?

『マイリトルゴート』の中で、お母さんヤギは人間の子ども夏希を誘拐してしまいます。それは、長男トルクがオオカミに食べられ、助け出そうとした時には既に消化されてしまった現実を受け入れられずに起こした行動です。

そして怖いオオカミがいるからと、外の世界に触れさせないように助け出した他の子ヤギ達を軟禁状態にしています。

危険なことに関して気を付けるのが親の役目ですが、全ての危険は排除できません。危ないことも経験させること、子ども自身に危険を察知させ、自分で回避する経験が必要です。

これは、子育ての中で虐待やネグレクトは問題になり犯罪にもなるのに、過保護は犯罪にならないのか?という疑問を問いかけているのです。

過保護は親の愛情と捉えられがちですが、実は子どもが学ぶ機会や経験することを奪い、何より子ども自身が自分で選択することをしなくなります。

親の価値観を押し付けるのは、過保護という虐待ではないでしょうか?

自ら選択できない大人を育ててしまうという罪

オオカミに襲われてから子ヤギたちはずっと小屋の中で過ごし、お母さんヤギの言いつけを守り、自分の変わり果てた姿を見ることが出来ないよう、鏡は隠され、入り口にはいくつもの鍵をかけて過ごしています。

自分のことを理解する機会をを奪い、小屋から出ないようにと言われ、外の世界を知らないまま過ごす子ヤギたち。お母さんヤギの言葉が絶対になっているのです。「あれ、おかしい?」と考えなくなることが、実は一番危険なことなのに。

親に言われたことは全て正しい、親に言われたことを守っていたら大丈夫と、自分で選択できない人生になっていくのです。

婚活の時にもこのような状況はあります。

お付き合いしても結婚直前で親からの反対で終了するケースは珍しいことではありません。親に言われて引き下がり、自分の気持ちや意見を言わないまま終わってしまう大人がたくさんいるのです。

これが若い時ならまだしも、40歳を過ぎていても子どもの選んだ相手に口を出す、反対をする、怒って感情をぶつける親がいるのです。裏を返せば、我が子のことを信じていない故なのかもしれませんがそうは思わず、子を思う愛情だと思っています。

親の愛情とは……

親の愛情は子どもに当たり前のように注がれますが、その愛情の注ぎ方が過度すぎることは正解なのでしょうか?

順番からいくと親の方が先に死にます。親はどんなに可愛がっても最後まで子どもを守ることが出来ないからこそ、親がいなくなった時に子ども自身が困らない為にも自立を促し、自分の力で選択させて、間違っていても経験させることが、真の親の愛情だと思うのです。

私自身も親の立場。子どものことはいくつになっても不安や心配はあるものです。子どもを他人と比較せず、完璧な幸せを望まず、一人の人間として“承認”することが大切と心掛け接するようにしています。

自分が親にしてもらったことを思い出すと、放任主義でした。だからこそ自分で決めたこと、その選択は自分に責任があるという、この考え方が親にまんまと刷り込まれ、今の自分があります。子どもと親の立場、両方を経験してみるとわかることなのかもしれません。

あなたは、自分のことは自分で決められる大人ですか?

★『マイリトルゴート』公式サイト

https://mylittlegoat.tumblr.com/

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