5月なりました。GWはいかがお過ごしでしょうか……。
私事ですが、昨年のGWは過去最高に気合を入れて、服の断捨離をしていたことを思い出しました。おかげでGWが終わる頃には、クローゼットと引き出しがすっからかんに……。
ちょっとすっきりし過ぎてしまい、暫くは、「わっ!着るものがない!」と、引き出しを開ける度に我ながら驚いていたのですが、実際には全く困ることがなく、ミニマム暮らしにすっかり慣れてしまいました。
というか冗談抜きで、1年のうち300日くらいは同じ格好(黒のシャカシャカ上下)をしているので、全然困らないのです(笑)。
それで、また今年もGWになったので、昨年同様、断捨離でもしようかと思い立ち、今ある服や靴たちと向き合ったのですが、それが本当に少なくて、「これ以上減らしたら人としてどうなんだろ?」と思い、違う意味で断捨離を諦めた次第です。
というわけで、特別な予定もないGW、いつも通りな感じではありますが、これまた私事、5月1日に誕生日を迎え、またひとつ歳を重ねました。
55歳です。まずは健康に感謝。ゾロ目の55。Go!Go!Let’s go!と自らを奮い立たせ、日々、コツコツ進みます。
この歳になると、そこそこ長い時間を生きてきたので、過去に自分の身に起こったことや、その時代や、その時を振り返ることが楽しくもあります。
好きだった漫画、好きだったアニメ等もその類に入るのですが、同世代の人だとどうでしょう?
その中に、『ベルサイユのばら』を挙げる人は結構多いかもしれませんね?

Wikipediaによると、「宝塚歌劇団による舞台化の大成功が作品のヒットに拍車をかけ社会現象化。1970年代末には実写映画やテレビアニメなどが制作された。」という文言がありました。
私の場合は、すごくハマったというわけではありませんが、それでも漫画は読んだことがありますし、「バラは!バラは!気高く咲いて~🎵バラは!バラは!美しく散る~🎵」というTVアニメの主題歌のサビを、今でもしっかり歌えます(笑)。
瞳がすごく大きくて、キラキラとした絵の雰囲気も独特で、めちゃくちゃ画才のない私でも、子どもの頃お絵描き遊びをする時には、あの大きな瞳をお手本に、ベルばら風の女の子を描こうと試みたものです。
そのベルばらが劇場アニメ『ベルサイユのばら』として、わりと最近まで上映されていたので観に行ったのですが、早くも4/30~Netflixで始まりました!
既にランキング上位にインしていて、やっぱり好きな人が多いんだなぁと思うとともに、個人的には子どもの頃は恋愛漫画のイメージしかなかったのに、大人になってから観ると、歴史物語としての興味がすごく沸き、子ども時代と全然違う感想を持ったので、老若男女問わず、一度観てみるとよいかもしれません。私の場合、正直、雑学が増えました。
また、映画を観た後、ちょっとベルばらの世界観にハマってしまい……。
先日、東京、渋谷区立『松濤美術館』で、「セーヴル フランス宮廷の磁器展」が開かれているのを知り行ってきました。

サブタイトルは、「妃たちのオーダーメイド マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯」。
ご存知の通り、マリー=アントワネットは、『ベルサイユのばら』の物語に、主要人物の一人として登場します。
今回『松濤美術館』に展示されている作品は全て、当時、宮廷内で使われていたものか、宮廷内に展示されていたものなのだそうですが、作品に対する予備知識が全くない状態でその場所を訪れた私は、数々の作品を眺めれば眺めるほど、その状態があまりにもキレイなままであることに様々な疑問が沸き、勢いで展示会場にいらした学芸員の方へいくつかの質問を投げかけてしまいました。まるで小学生の修学旅行の時のソレのように……。
しかもそれは後から考えると、「なぜあんな幼稚な質問をしてしまったのだろう?」と、帰り道、ちょっと恥ずかしくなってしまうような、とてもとても素朴な質問でした。
でも、その日の夜のこと、そんな自分をちょっと褒めてあげたい気持ちになったのです……。
というのも、なんと、私の質問に対しての補足説明を、担当学芸員の方が直々にメールで下さったのです。
その一部を、ここにご紹介させて頂きましょう。
〈実際に宮廷で使われていたものなのか?という質問につきまして〉
今回展示している作品に関しては、わりときれいな状態のものが多いので、使われずに保管されていたものかもしれません。
18世紀のセーヴル窯は一般向けには販売しておらず、
●直接注文
●ヴェルサイユ宮殿での展示販売会での購入
●セーヴル磁器製作所工場内の展示場での購入
●出入りの商人を介しての購入
という4つのルートがあったようです。
そのため、購入者は王侯貴族や富裕層に限られており、一般流通はしていませんでした。
4つのルート……、一般流通はしていない……、ほほう、と私は納得すると同時に、あそこに展示されていたあの作品を、マリー=アントワネットが実際に使っていたり、眺めていたりしたのか!と思うと、激しい時代を超え、今そこにあることに改めて驚き、感動したのでした。
下さったメールには、その他にも私がした質問に対し、とても丁寧な説明が書いてあり、最後には、「『ベルサイユのばら』は、この時代のフランスを知るきっかけの筆頭ですよね。タイミング良く映画が公開されたこともあり、ベルばら好きの方にも見ていただきたいと思っておりましたので、こちらもそれを知ることができ嬉しいです。」と記してありました。
雑談の中で、私は最近、映画「ベルサイユのばら」を観たばかりで、作品を眺めながら、その世界に入りやすかった、とお伝えしたことが、こうして学芸員の方との話題で繋がったことも嬉しかった次第です。
物心ついた時から、思いつき優先の発言と行動をしがちな己……。幼い時から自覚があります。
普段は己のそういうところがむしろ大嫌いなのですが、こんな性格だから今回の出来事のように、知らなかったことを知れたのかもしれない、と思うと、過去に我が身に起こったあれこれを振り返り、良い意味で、もうこのままの自分を愛しながら生きて行こうと、改めて己を受け入れる気持ちになりました。
そうです、55歳にしてやっと(笑)。
さておき、ご興味のある方は、Netflixで『ベルサイユのばら』ご視聴からの、『松濤美術館』「セーヴル フランス宮廷の磁器展(6/8まで開催)」へ、足を運ばれてみてはいかがでしょうか……。
新しい出会いと発見がきっとあると思います。おすすめです。
