カラーも当たり前になった現代において、ケアの重要性は益々高まっています。
「シャンプーを変えるだけで質感がすごく変わるのが実感できます。だから良いシャンプーを使い続ける方が良いと思うんですが、良いといわれる商品がたくさんありすぎて他のシャンプーも試してみたいんです」
人の気持ちとはそういうものですね。
私なりの考え方を説明させていただきます。
まず、同じ商品を使っていても、成分がずっと同じとは限りません。同じ商品なのに中身が少しづつ変わる物もあるので、違うものを使っている事と同じになります。なのでシャンプーは変えても大丈夫という考えになります。
ですが、たとえばせっかく高価なシャンプーに買い替えて、失敗したくないですよね?なので、美容師がお客様におすすめするときの判断方法をこっそり教えちゃいます。
美容師はシャンプー・トリートメントを作る研究者の方より知識は浅いのですが、薬事法規制緩和による化粧品登録商品の成分表示義務化(商品の裏に書いてある内容成分)以降、さまざまな知識を共有することができるようになりました。
シャンプーの内容成分は基本「水」から始まります。量の多い順番に並べてありますので注目するポイントは、水の次に書いてある成分です。
2番目に書いてある成分は、界面活性剤といわれるシャンプーの主成分で、水と油を中和させる成分ですが、シャンプー剤で使用される界面活性剤は汚れを落とす成分というイメージです。
美容師は、界面活性剤で洗浄力がどのくらいのものなのかを判断します。
頭皮が乾燥されやすい方や髪のダメージが強い方は洗浄力の優しいものをおすすめしますし、脂性で悩む方は洗浄力の強いものをおすすめします。
フケでお悩みの方には、そのフケが乾燥なのか脂漏性なのかを判断してからシャンプーをおすすめします。この頭皮診断は美容師でも可能なのでみてもらいましょう。
近年のシャンプーは細分化され、様々な用途に合わせて作られています。ほとんどの商品に売り文句があるので消費者側からするとわかりやすくなっているなぁと感じます。売り手側は売るための文言を並べるので信じられない!という方は成分を調べれば良いので難しく考える必要はありません。
ただし、頭皮に炎症がある場合は必ず医師に相談してください。これは美容師が勝手な判断はできないですし、してはいけません。炎症を治すために必要なのは医薬品になるからです。
私の担当するお客様の中には、シャンプーを変えて薄毛になってしまったという方がいました。それは今の時代の商品でそんなのあるわけないと思っていたのですが、そのお客様が薄毛の原因となったシャンプーを止めてから、髪が生えてきたのを確認することができました。
そのようなことが起こる可能性があるので、シャンプー選びも慎重にしていきたいものですね。
参考になればと思います。
『美容師はしもとの時間』より転載
文 / 橋元リョウイチ