【エッセイ×根津孝子】春近し。トラウマという言葉に思いを巡らせた結果……

3月。春ですね。日によってまだまだ真冬と変わらない寒さの日はありますが、仲間が集えば、「桜が咲いたら花見に行こうよ」という楽しい話題で盛り上ったり、また、そんな楽しい話題とは逆に、両鼻が詰まりグズグズ、目が痒くてどうしようもない、という花粉症の話でテンションだだ下がりになったり……。

確かに、どちらも春の訪れを感じる話題には違いないのですが、思うに、春って好きな人と嫌いな人がパッキリ分かれる季節なのではなかろうか?と、春がやってくる度に思います。

ちなみに私は後者、つまり、春があまり好きではありません。

まぁ、理由はただ一つ。春にあまりいい思い出がないんです。

つい最近まで、春について人と話す時、トラウマがあって、春が好きじゃない、と言っている自分もいました。

でも、ちょっと待てよ、トラウマの使い方、これで正しいのかな?と、最近ふと思ったのです。

「トラウマ」って言葉ですが、今は当たり前のように日本人も使いますが、どうでしょう?数十年前は使っていなかったような気がするのは私だけでしょうか。

そしてたまたま、トラ=虎、ウマ=馬、という日本語と音の馴染みがいいので、私の場合、初めて耳にした時、正直、虎と馬にまつわる諺みたいなストーリーがあって、それがトラウマという言葉を生み出したのかな?なんて思っていました。

ところが、洋画を観ていて、「トラウマ」と、そのままの発音で俳優さん達がセリフとしてしゃべっていることがよくあるので、「あ、トラウマって、虎と馬じゃないんだ」と気がついたのでした。

改めて最近調べてみたら、トラウマはギリシャ語で、「傷」を意味するのだそうで、「外的内的要因による肉体的及び精神的な衝撃(外傷的出来事)を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態。また、否定的な影響を持っていることを指す。」と書いてありました。

トラウマについて調べてみると、知人たちとのたわいもない会話の中で、「トラウマになっててさぁ~」「トラウマになるよ」なんて、結構軽い気持ちでこの言葉を発していた自分を反省しました。

私がイメージしていたより、もっともっと精神的に辛いことを意味するんだということがわかったからです。

まぁ、おそらく私の場合のソレは、トラウマではなく、「軽い後遺症」とでも表現した方がいいのかもしれません。

でもきっと誰にでもありますよね、トラウマとまではいかない、軽い後遺症レベルの傷というか、苦い経験が。

例えば私にとって、春にまつわる軽い後遺症は、社会人になりたての時に罹ってしまった、麻疹(はしか)です。大人になってから罹ると症状がヒドイ、という話をよく耳にしますが、まさにそうでした。

入社式の翌日に発病し、40度の熱が2週間くらい続き、約1ヶ月入院。新入社員研修も受けることができず、GW明けから私の社会人生活が始まりました。

結果、すっかり同期のコミュニティに入り損ね、完全に社会人生活に出遅れてしまったわけです。

それから……、あれは25歳の春のこと。長野の白馬村へ向け、深夜バスに乗って春スキーへ向かうまではよかったのですが、バスで一睡も出来ず、ダルい徹夜明け、スキー場のゴンドラに乗って、山の頂上へ登ることに。

元々スキーは得意じゃなかったのですが、ゴンドラを降り、まんまと1本目の滑走で雪のコブにバランスを崩して転倒してしまい、半月板を損傷、膝の靭帯を2本断絶(ちなみに、膝の靭帯は4本あります。だから2本切れてもまぁまぁ大丈夫?)。私のスキーはそこで即終了。そのまま東京へ戻り、即入院→手術→リハビリとなり、またしても1ヶ月以上会社を休みました。

今思うと、入社早々の麻疹騒動といい、数年後の怪我といい、大迷惑な社員でしたね。反省……。

そして、時は過ぎ、40代半ば。これも春のこと。帯状疱疹に罹患。私の場合、左の鎖骨あたりから、左腕の全てに、見るに耐えないほど気持ちの悪い水疱がじゃんじゃんできたのですが、初め、水疱がまだ出ていない時、誰かにハンマーか何かで殴られたのか?と思うようなドンという強い痛みで、「え?私の肩に何が起こった?脱臼したのか?」となって、整形外科へ行きました。そこで、いや脱臼でも打撲でもないよ、皮膚科へ行ってみて、と言われ、帯状疱疹だと判明。

その数日後から、水疱が大量に出始め、今度はピリピリという神経にさわる痛みで、これが1ヶ月以上も続きました。

最近では帯状疱疹のワクチンがあることをTV等でよくいっていますが、まだ罹ったことのない人にはおすすめしたいです。ほんと、痛くて罹ると大変ですから。それこそ、神経痛の後遺症が残ることもあるんだとか。

まぁその他も結構な確率で春に風邪をひくとかあります。人に言わせれば、単なる季節の変わり目の自己管理不足っていうだけの理由なのでしょう、きっと。

あれれ?なぜか思い出すのが、病気やケガをしたことばかり。

春といえば、出会いと別れの季節。もっと色気のある話題、恋に破れ……、とかいう話もあった気がするのですが、すっかりそっち方面の後遺症は完治しました。これは、歳を重ねたおかげですかね。

私的には、この、春にまつわる「軽い後遺症」を克服し、「春=ウキウキ♪」に塗り替えたい!いや、絶対に塗り替えてやるぞ!と、そんなことばかり考えている今日この頃なのであります。

じゃあ、どうすればいいんだろう?

結局のところ、克服するためには、地味な成功体験を重ねていくしかないような気もしています。とりあえず、まずはこの春を無事にやり過ごすことからですね。

しかし、もしもですよ、もしも一気に塗り替えるようなインパクトのあるhappyな出来事がこの春起こったら、またココにぜひ書かせて頂きたいと思います。

季節の変わり目です。みなさまどうぞ、お身体を大切に~💌