【連載×ますだあけみ】家族になろうよ~結婚は二人だけのもの?家族になるって?~

『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。

名古屋で結婚相談所を始めて12年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、4年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。

本エッセイでは、日本人同士では気付かなかった目線でのエピソードなどをお伝えしています。

ゴールデンウィークですね。皆さんは旅行やお出掛けの予定はありますか?
国内旅行も海外旅行も以前のような賑わいが戻ってきています。今は記録的な円安の為、海外から日本に来ている外国人の方々の嬉しい悲鳴が聞こえてきそうです。

日本にいると日本の良さって実はわかりにくいのものです。どこの国と比べるという訳ではないのですが、日本は街がきれいで食べる物全般が美味しくてお値打ち、人も親切で優しい、夜に出歩いても安全、どこでもお酒を飲むことが出来て、お土産も職人技のものからアニメグッズまでなんでも揃い、観光名所もあり、自然もある、四季の美しさがあるので何度も来日したくなる気持ちがよくわかります。これらが全てある日本って唯一無二の国だと思っています。ここまで全てが揃う国ってなかなかありません。そこに円安ですから、外国人が押し寄せてくるのもわかります。

私は4月上旬タイに渡航していました。タイ女子と結婚した男性がタイに住む家族に挨拶するために同行したのです。コロナの頃は渡航も来日も出来ない状況でしたが、世界は平常に戻っています。結婚後、男性も一度は飛行機に乗って、現地に住む家族に直接会ってきてほしのです。いつも来てもらうばかりではわからないことが多くあります。

今回は関空からLCC直行便でチェンマイまで6時間30分。チェンマイからバスで約3時間30分揺られて、パヤオ県というラオスと国境近くの場所まで行ってきました。こうやって書くと簡単なことのように思いますが、4月のタイは一年中で一番暑いのです。照り付ける太陽ではなく、スモッグがかかった景色の中、軽く42℃ありました。何もしなくても汗が噴き出てきます。飛行機やバスを使い、山奥からタイ女子は一人で日本にやってきてくれていることに、男性は自分が行って初めて気づきます。

体験することはとても大切です。オンラインでは何度も話しはしていますが、初めて直接会う女子側の両親や兄弟、親戚の人達。皆さんは笑顔でとても温かく迎えてくれました。昼間の時間帯はあまりにも暑いので、現地の皆さんはほとんど動かないのが一般です。そんな暑い中、現地の観光名所やお寺に一緒に行き、そして食事も皆でして、賑やかに楽しい時間を過ごしたのでした。

「同じ釜の飯を食う」という表現がありますが、一緒に食事をすると一気に緊張が解けて仲良くなります。この時に私はいつも思うのです。異国の地で全く接点のなかった二人が出会い、そしてお互いの家族に紹介して、一緒にご飯を食べている。これこそ”縁”であり、二人が行動したからこそ”今の出来事”が叶えられているのだと。これってすごいことだと思いませんか?
私は密かにいつもこの瞬間感動をしています。

婚活をしていると、自分のことはさておき相手にばかり条件を求めがちです。特に男性側は自分の家族と一緒に同居が絶対の条件という人がいます。そして家事をやってほしくて、親の世話もできればしてほしいと平気で言います。家族の面倒をみてほしいのなら、面倒をみてくれる女子側の家族にも気を遣い、面倒を見てあげてこそ家族、お互い様だと思うのです。大切な自分の家族を大切にしてくれたら、相手の家族も大切にしようという気持ちになるというものです。

今季のNHK大河ドラマ『光る君へ』は源氏物語を書いた紫式部の生涯を描いています。平安時代が色濃く映し出されていて雅な世界観やストーリーも面白いので毎週楽しみにしています。平安時代は一夫多妻制とおもいきや、実は一夫一婦制で通い婚でもなかったそうなのです。家と家の結びつきが濃く、婚活スタイルが政治をも動かしていたようです。

今のように「嫁入り」が主流ではなく「招婿婚」とされ、男性がいかに女性に気に入ってもらえるかが大きく、女性側の親が納得して婚姻関係が成立したらしいのです。貴族や一部の位のある人のことだけでしょうが、その時代、時代で、婚姻関係が現代とは違うので、とても興味があります。

いっその事、今の少子化対策はどれも的外れなのだから、一気に「婿入り」に変更して、女性側の家に男性が嫁いでもらったら、跡継ぎや同居問題がなくなるかもしれませんね。そうすれば親の世話のことで揉めることも減りそうです。あ、しかし難問!「婿入り」させてもらえるのは選ばれし男性!それこそ男性にとっては敷居が高くなり、ますます独身が増えそうですね。

ほとんどの人が自分の家族や故郷は大好きです。だからこそ相手の大好きを尊重し、どちらかがだけの面倒をみるのではなく両方とも大切にできたら家族はうまくいくのではないでしょうか。

実際国際結婚をして、相手の国へ行った男性はみな口を揃えて言います。「海外に親戚ができて嬉しい」「毎年行きたい」「相手の家族と会ってよかった」と。

自分の人生の中で海外に親戚ができるってすごいことです。あなたの一歩でガラっと世界観を変えてみませんか。喜んでお手伝いします。