【エッセイ×根津孝子】誕生日を境目に断捨離を断行した結果……

2024年のGWも終わり、平常運転に戻られた方も多いことでしょう。

東京は連日お天気に恵まれたGWでした。私はといえば、友人、知人のSNSで発信される情報を、「おっ、ココいいなぁ。いつか行ってみたい」などと思いながら、羨ましく眺めておりました。

特別な予定もなく、平常運転のはずだった私のGWなのですが、それが一変、ガラリと変わる変化が!というのも、急に暑くなったので、「今日はTシャツを着よっと♪」と、Tシャツの入った引き出しを開けたが最後、「ん?コレ着るか?」と、自分への問いかけからの、「もう着ないな、さようなら~」からの、ゴミ袋行きを繰り返し。

全く予定になかった断捨離がスタートしてしまったのです。

断捨離は、カジュアルな服に始まり、スーツ類、ランニングウェア、下着、靴、雑貨、コスメ等々、ありとあらゆるものを捨てる、捨てる……。おぉ、気持ちいい~!

一度始まった断捨離は1日で終わるはずもなく、今日はココ、明日はココ、という感じでGW中ずっと続き、何なら一応一旦終了した現在でも精神的には続いていて、部屋にあるものや、引き出しを開けると目に入ってくるもの全てに対して、「これいる?」「これ使う?」と自問自答しながら過ごしています。

ちなみに「これいる?」「これ使う?」の自問に対する自答は、圧倒的に、「いらない」「使わない」の方が多いのですが、もしもそれら全部を手放してしまったら、これまで自分が費やした時間やお金を否定するような気分になり過ぎるので、程よく無駄と思えるようなものも残してはいます。

そうです、なり過ぎる、と表現したのは、正直に言うと既になっているから、というのもあって……。振り返ると、だいぶ無駄遣いをしています。でも、程よい無駄というのは、生きるためのエッセンスになっていることもよくあるわけで……、やっぱりそれは、いるもののグループに入るべきであると私は思います。

それでも今、自己満足ではありますが、部屋のどの引出しや棚を開けてもお気に入りのものしか入っておらず、とてもスッキリとしていて、気分が良いです。時々用事がなくても開けて、眺めて、「よしキレイ!」と納得してすぐに閉める、という謎の行動を繰り返すくらい満足しています(笑)。

私事ですが、GWの途中、5月1日に誕生日を迎え、また一つ歳をとりました。誕生日と突然始まった断捨離行動とが相まって、これまで生きてきた道を振り返るきっかけにもなりました。

終わってみたら、新しく生まれ変わったような感覚にもなれたので、断捨離に二の足を踏んでいる方には、自分のお誕生日きっかけの断捨離をおすすめしたいくらいです。

いらない物といる物、分けるのは簡単なようで難しく、難しいようで実はとても簡単です。大前提として、それが自分の物である限り。

自分の物である限り、たとえそれがなくなったとしても誰にも迷惑をかけないわけであり、後からどうしてもまた欲しくなったとしても、同じものはなくとも、きっとそれに代わる何かで代用できているはずです。私の場合、「どうする?」と、ちょっと迷うような物を手に握った時、そんなふうに考えて断行しました。

もしもこの後、捨ててしまったことに対する後悔が少しだけ出てきたとしても、今、そして日々スッキリとした気持ちでいられるとことの方が、勝っていると思えています。

それから、人間の価値観ってほんと、変わるものですね。人間の価値観というか、私の価値観といった方が正しいのかもしれませんが、あんなに大切だと思えていたものが、何の価値もない、となるのですから不思議です。

その点では、良い意味でも、悪い意味でも、ますます自分を信じられなくなりました。

そして私の悪い癖がここでまた出ているのですが、良いと思った事や物を他者にすすめてしまうという癖がそれであり……えへへ。今まさに、このエッセイですすめてしまっております。

おすすめついでにもう一つ、断捨離をする際におすすめしたいのは、好きなアーティストのベストアルバムを聴きながら作業をすること。これ、実際に作業をすすめながら、捨てるという決断力を高める効果があると思ってしまいました。CD選びのポイントは、時代をまたがったベストアルバムであることです。

ちなみに私は作業中、宇多田ヒカルさんのベストアルバム、『SCIENCE FICTION』を流していたのですが、曲が流れてくると、その時、その時代、「私、何してたっけ?」と記憶が蘇ってきて、それが自分でも驚くほど意外と鮮明で。そんなことを考えながら作業をしているとなぜか、「大事ことは自分の中にある。物はいらない」と、頭の中の整理整頓と物理的な整理整頓がリンクしたのでした。

さぁ、断捨離、やりますか?やりませんか?

もしかすると、暫く時が経ち、私の中の「誕生日きっかけの断捨離っていいねっ!」という価値観が変わってしまうということがあるのかもしれませんが、しかしともかく、今はおすすめしたい気分なのであります。

もしも価値観が変わってしまったら……。いや、そこは信じるも八卦ということでご勘弁を(*’▽’)