【連載×ますだあけみ】その選択、無理じゃない?~時には計画変更が功を奏する~

『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。

名古屋で結婚相談所を始めて12年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、4年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。

本エッセイでは、日本人同士では気付かなかった目線でのエピソードなどをお伝えしています。

ノロノロ台風のせいで夏休み終盤の予定は変更やキャンセルをされた方が多いのではないでしょうか?そういう私も天気図や新幹線の運行状況を見ながら週末のデート引率計画を見直し中です。

最近は新幹線や鉄道などが計画運休をします。個人的にはいいことだと思うのです。危険を冒してまで走行することやギリギリでの休止決定よりも、計画的に休止する方が変更できる行動の選択肢も広がります。

しかし文句を言う人も必ず出てきます。この雨くらいで運休?とか、結果論として運行できたのではないかと、自分の都合だけで物事を考えてしまうのです。何事も根性論や勢いでの決定はリスクが大きすぎます。

新幹線によく乗るからこそ思うのですが、あのダイヤで超高速の新幹線を運転し、時間通りに運行しているのは当たり前のようで、当たり前ではなく、本当に沢山関わる人がいるから成立しているのです。

先日も群馬県の高崎に行った時、大雨で上越新幹線や北陸新幹線のダイヤが混乱していました。遅延している新幹線に乗り込み、後からの新幹線に抜かされながらも東京駅まで行きたいけれど指定席は満席、私は独りだったので自由席に乗り込みましたが通路や扉口周りも大勢の人が立っています。小さなお子さん3人をつれたパパとママは汗だくでぐずる子どもたちを順番にあやし乍ら新幹線が動くのを待っています。

このエッセイでもよく書かせてもらっていますが、40歳を過ぎたあたりから男性の本能なのか、あがきなのか、婚活に”子ども希望”を第一番の希望条件にする人たちがいます。少子化の時代なので相手に選ばれて産んでもらい育てていくことができるのならなんて素晴らしいことだろうと思うのですが、現実は厳しいのです。

子ども希望のオジサン、あ失礼、男性たちは、実家暮らしが多く家事はほとんどしたことがありません。給料もほぼお小遣いとして自分の好きなことには使いますが、他人に対してお金を使うことが出来ません。そして実家暮らしなのに貯金がほとんどありません。

男性もおじさんになっているのでその親も歳を取ってきています。家にいる息子に頼りがちで共依存の親子が多くいます。家族は黙っていても分かり合えていると思っている親子が多く、相手の女性は他人、だから興味を持つことがなく人との距離感を縮めることが苦手なので婚活では受け身です。そして聞かれたことにしか答えません。また、連絡手段としてLINEなどは既読になることがなく、よって返信もありません。

結婚相談所にお金を払って登録した人はまだ婚活に前向きと思われますが、登録しただけで満足している人、申込みして断られ続けている人はなぜ自分がうまくいかないのかをわかろうとはしません。プロからアドバイスしても聞く耳を持ちません。婚活市場ではそんな男性が溢れかえっています。だから結婚相談業もそんな独身男性を登録し会員にしたら今流行のサブスク会員です。結婚せずにずっと月会費を払いながら在籍してくれるからウハウハです。

ちょっと辛辣な書き方をしてしまいましたが、婚活業界は変な人ばかりではありませんので安心してください。ほとんどの人が安心安全です。拘りがなく、素直な人ならすぐにお相手と出逢い結婚していきます。いい物件はすぐに埋まるのと同じなのです。難あり物件はずっと空き家なのです。条件に拘るよりどんな状況でもどう対応していくかに尽きるのだと思うのです。

『地獄と極楽』という話があります。お腹が減っている中ご馳走が並び、そのご馳走を食べるための長い箸があります。地獄と言う環境にいる人たちは我先にとご馳走を奪い合います。長い箸をケンカや暴力と戦うために使うのです。結局ご馳走が並んでいても傷つけあうだけで食べることができません。しかし極楽にいるひとたちは長い箸を使って、まず相手に食べさせてあげて助け合うので、美味しくご馳走を食べることができるのです。小さい頃にこの話を漫画で読んだ時に衝撃でした。簡単なことなのになぜ大人ってできないのかなと…。極楽にいる人が幸せなのではなく、人間の心の持ちようで自分次第なのです。

新幹線内での3人の子どものパパママのことを書きましたが、子育ては本当に大変で体力勝負です。私は横で変顔をしてあやすことぐらいしかできません。子ども希望のオジサンたちには「まず体力をつけろ!」と言いたい。週末、YouTubeやゲーム三昧でダラダラすごしているから、たまに少し動いただけで疲れ切ってしまうおっさんたち。私は子ども希望の男性に「10キロの米袋を抱かえたまま一度も米袋を下ろさずスーパー内を5周してください」とお願いしています。10キロは1歳前後の体重です。日本語も通じないこの小さい怪獣と日々向き合うことを試してみてほしいです。

結婚生活、そして子育ても、夫婦で助け支え合いながら長い箸を相手の為に使ってあげられるのかが大切です。今は米騒動で10キロのお米は無いかもしれませんが、5キロのお米袋5周体験ぜひやってみてください。

また、計画通りにいかない時は、人生も移動手段も選択を変えることで違う景色が見えてくるはずです。