6月も終わりが近づいてきました。梅雨ですね。九州では今大雨が降っているそうで、今週末は東京も台風を警戒しています。今朝は東北で大きな地震もありましたし、熊もいろんな場所に出てくるし……。被害が少ないことを願うばかりです。
自然は素晴らしいものには違いないのですが、想像を超えた怖さもあり、いろいろなことを考えさせられます。
私事ですが、約1か月前のこと、南アフリカのケープタウンマラソンを走りに行ってきました。私の人生の中では結構なインパクトがあり、そこでみた景色のことを今もよく思い出します。余韻が残っているうちに、ここに旅のことをまた書きたいと思っております……。
さて、今日のこと、81歳の養父からこんなLINEが届き、思わず声を出して笑ってしまいました。

うまいこと表現されていますよね(笑)。
自分のことを言えば、ある年齢を超えてから、健康で元気ならすべてOK!みたいな、とてもざっくりとした感覚、感情が先行して日々を生きています(笑)。
そんなざっくりとした大人になってしまった私が今回ご紹介する映画は、そう、忘れかけていた、あのドキドキ感、恋の切なさや楽しさや虚しさまでも思い出させてくれる韓国映画です。
先日、本作品のキム・ドヨン監督の単独インタビューをさせていただきました。
撮影秘話なども含めお話を聞かせていただきましたので、ぜひご一読ください。

【作品について/ストーリー】
タイトル:『サヨナラの引力』。
2026年7月3日(金)TOHOシネマズ日比谷他、全国公開。
韓国3週連続No.1 260万人が共感!~心揺さぶる、ラブストーリーの傑作~
2008年の夏、ソウル。大学生のウノとジョンウォンは長距離バスの中で運命的に出会う。ゲーム作家を夢見るウノと、建築家に憧れるジョンウォン。夢と不安を抱えた都会の日々の中で支え合ううちに、二人はやがて恋に落ち、深く愛し合う。しかし、若さゆえに抗えない現実の厳しさから、別れを選ぶ――。別れてから10年が経った2024年の夏、二人はソウル行きの飛行機で偶然再会する。あの頃の思い出を振り返る中で、ウノはずっと胸の奥にしまっていた問いをジョンウォンに投げかける。「もしもあの時…」。
~キム・ドヨン監督 単独インタビュー~

●原作の軸。「人と人との縁」というものに深く共感したと語るキム・ドヨン監督
監督が本作を手掛けるきっかけになった理由のひとつに、原作を読んだ時、ウノ(ク・ギョファン演じる主演男性)の父親が書いた手紙の部分があったという。
そこには、『縁はうまくいけばいいけれど、全てうまくいくとは限らない』という文章があり、監督ご自身がその手紙の内容にとても癒され、「この手紙があればきっと、この映画はうまく撮れる」と思い作品作りを決めたのだそう。
この監督の話に私自身とても納得しました。というのも恋愛映画によくある現実的にはあまりない偶然やシチュエーションの連続が、観ていると作品に不自然さを与えすぎてしまうことがあると思うのですが、不思議なくらい本作品にはそれがなく、この父親の存在が本作品にリアリティや深みをプラスしてくれているように感じたからです。
若い二人だけのラブストーリーにとどまらず、親世代の私でも共感できる部分が沢山あって、素直に物語を受け入れることができる絶妙な作品に仕上がっていると思います。
●監督が絶大なる信頼を寄せた俳優陣
撮影で苦労した点は?という質問に対して、監督は笑顔で「特別な苦労はなかったです」と答えると同時に、撮影中、俳優陣との接し方について心がけていたことや、その信頼関係について熱い想いを語ってくれました。
監督として撮影に入る前、とにかく深く役者と会話をするのだそうで、互いにそれぞれの役や相手役に対する想いについてとことん話をすることで、実際に撮影に入ると想像を超えたケミストリーが起こり、いろいろな角度から俳優陣とクリエイティブな時間を共有できたという。
また、主演の二人については、語りつくせないくらい賞賛に値する演技をしてくれたと信頼を寄せる。(実際の監督の言葉を借りるならば、「彼らの素晴らしさを語ると何日もかかってしまう」と。)
監督は実際に撮影をする際、細かい動きなどの指示を出すタイプではないそうで、その代わり事前の会話をしっかりとして、カメラが回りだした後は、それぞれの役者に任せるというスタンスで撮影に臨むのだそう。また、そんな大らかな撮影方法を語る一方で、役者が演じやすい、役に入りやすい雰囲気づくりをするのは自分の役目であると、とても繊細な部分も語り、「役者には、それぞれが存分に自らの感性でその役を捉えて演じてもらい、私は緊張感と集中力をもって撮影する中で、素晴らしいカット、美しいカットの一つひとつが組み合わさって映画のシーンとなるのです」と、映画作りに対する想いを語っていました。
おそらく監督自身が俳優として舞台に立ったり映画に出たりした過去の経験が、監督という立場になった時、役者陣の良さを最大限に引き出す策として自然に現れているのでしょう。
また、本作品については、所謂、順撮りといって、ストーリーの流れの通りに撮影をすすめていったこともあり、二人が出会ったばかりの少しぎこちない雰囲気は思っていた以上にリアリティがあって好きなシーンであるといい、観ている側も、そこからスタートして真面目に恋愛をする若い二人の姿、大人のリアルに直面する二人の姿など、すっかり大人になった私が観ても、忘れかけていた感情を揺さぶられるシーンの連続でした……。
●別れに対して想いを巡らせる機会に
この作品は、2008年頃から始まった若者の恋愛を描き、別れを経験し、2024年に再会する二人に触れているのですが、監督はこう語ります。「二人の結論を知っているだけに、幸せなシーンほど胸が痛みます。今の時代の恋愛と違う?そんなことはないでしょう。勿論、恋愛観は人によって違います。でも今の若者たちもきっと相手と向き合い、真剣に人を愛し、真面目に恋愛をしている……」と。
いい恋をして、いい別れをして、この映画のエンディングの更に10年後の二人を観てみたい、どうなっていると監督は思いますか?と尋ねると、「その後、もっと人間としての深みを増して、より良い人格で、よい人生を送っているはずです」と監督は語っていました。
また、「この作品を観て、誰かのことを思い出して欲しい、と。監督として私はそう思っています」とも……。
そんな監督の想いとともにこの映画を観ればきっと、過去のほろ苦い経験もまた、これまでとは少し違った素敵な色にみえてくることでしょう。
どんな世代の人が観ても、恋愛=胸キュン!では終わらない、人との縁や、人を好きになることの尊さをきっと感じるはずです。
この夏おすすめの映画『サヨナラの引力』https://sayonara-inryoku.jp
ぜひご覧ください。
