大切なのは努力なのか?センスなのか?~2人のコラボから目が離せない~

2019年、フリーランスwriterである私の初仕事は愉快な2人のインタビューからスタートした。愉快な2人とは、本サイト(Beauty Museum)のライター一覧にもその名を連ねる、RYO(金子良)とTAKA(福田貴幸)のことだ。彼らは昨年の10月にOXOが主催したAWARD、「みんな大好き、おうちの定番レシピ」にて、コラボした著書『STOC RECIPE Kindle版』が審査員特別賞を受賞するなど、その感性が評価され、益々多忙な日々を送っている。仕事仲間でもあり親友でもある2人のコラボレーションはどのようにして生まれ、どのようにしてクライアントに喜ばれるモノが完成するのか?その魅力に迫った。

RYO

出会った時から互いに認め合うものがあった?

服飾系の専門学校で2人は出会った。学生時代、それぞれ互いのことをどう思っていたのだろうか?

TAKA「僕はとにかく服が大好きで服飾系の専門学校に入ったんですけど、実際入ってみると、服飾系の学生なのに、何でみんなコレクションブランドに興味ないんだ?って不思議で、話の合う奴がいねーなって、正直がっかりしてたんですよ」

RYO「そうそう。それはほんと同感。だって、Louis VuittonやCHANELのお店に入ったことがないっていう学生が殆どだったもんね。普通、買えなくたって興味があればお店は覗きに行くでしょう。確かに、TAKAはそんな中にあって、いつもパッと目を惹く派手な格好をしてて、“あなた、その服何で買えたの?”っていうような、高価なコレクションブランドの服を身につけてた……」

TAKA「お前だって、Diorのジャケットとか着てたじゃん。どうせお前は親から買ってもらったんだろ?僕は、めちゃめちゃバイトして稼いで、それ全部服代に消えてましたからね(笑)」

RYO「あのDiorのジャケットは確か、ネットオークションで5、6万で買ったのよ」

TAKA「今だから言うけど、お前の部屋のクローゼットの中見た時は、ほんと驚いたっていうか、あ、コイツすごいかもって思った……」

RYO「私も学校の中でファッションの話をまともにできるのはTAKAだけだと思った」

この後2人はしばし、“あの時はこんな服を着て、こんな髪型をしていた”“あの時は……”“あの時は……”と話が盛り上がり、互いの格好のことをよく覚えているなぁとすっかり感心してしまった。


TAKA

性格的に対照的な2人だが……。

TAKA「あれはいつだったか、学校で課題があって、RYOとコラボして作品をつくったんです。今見ると何コレ?って笑っちゃうような作品なんですけど、やたら先生に褒められたんですよね。なんか知らないけど、いつもRYOのことは先生が褒めてたなぁ……」

RYO「そうだっけ?」

TAKA「ほらコイツ、なんかちょっと浮世離れしてるでしょう?そういうところが羨ましいって思うところもあるんですよ。僕はどちらかというと、努力して、頑張って、仕事だとクライアントのイメージを察して、それに近づけようと自分を追い込んで、追い込んで、つくり出すタイプなんで」

RYO「私はTAKAと仕事するとすごく楽なんですよ。ファッションじゃない仕事でも、どんな制作物であってもファッションに例えて、“数年前のラフシモンズみたいな雰囲気で”とか言っちゃうと、すぐにわかってくれるっていうところがあって……。TAKAは自分では、努力してるって言うけど、その勘の鋭さは他の人にはあまりないものだと思うよ。多分、TAKAは相手が私じゃなくてもいい仕事が出来る人。でも私にはそういう器用さはないんですよね。それは自分でもわかっています」

TAKA「そうかな?僕も仕事のやりやすさという意味では、他の誰よりもやりやすいですよ。だって、RYOの好む雰囲気とかそういうものは、もう知り過ぎるくらい知ってるし、僕自身、彼の好む雰囲気も好きですしね」

RYO「それから、何というか、もしかしてずっと同じ時間、同じ時代を生きてきた?という不思議な感覚があります。私の好みって実は同世代の人に理解されないことも多いんですけど、TAKAだけはちょっと話をすると、あぁ、あれね、ってだいたいわかってくれる。そんな人、まず他にいませんから(笑)」

TAKA「ただねぇ、たまにRYOが哲学的な話をするんですよ、その時はちょっとイラっとします(笑)。だってそこは流石に僕も理解できないことがありますからね。でも、時々ふっと思い出して、あぁ、今自分に起こっていることは、もしかして、前にRYOが言ってた何ちゃら哲学的な事なのかもしれない、なんて思うこともあります」

RYO「お役に立てているようで、光栄です!」

TAKA「やかましいわ!」

RYO & TAKA

これからの2人について。

TAKA「RYOに出会った頃の僕は、センスはお金で買うものだと思っていたのかもしれません。高いものを身に着けていたらセンスがいい、みたいな感覚も正直ありましたし。でも、RYOに出会って初めて、センスは磨かれるもんだって思ったんです。そういう意味でも出会いに感謝しています。クリエイションが自分の仕事になって数年、色んなことを早く覚えたくて、猛スピードでここまでやってきたと思います。そりゃあ、大変なことの方が多いです。でもPRに関わる仕事は面白いですね。RYOの発想は突拍子もない事も多いですが、それを形にするのが自分の役目かなって思う時もあります。色々一緒にクリエイションして行きたいですね」

RYO「そうそう。クリエイションするって本当にすごいことなのよ。まぁ、言ってみれば、神様がアダムとイブを生み出したようなものなんだからね」

TAKA「RYOにクリエイションしよーよ、って、突然呼び出されることにもすっかり慣れました。たまに無視しますけどね(笑)」

RYO「実は今年、新しくやろうと思ってることがあるんだよ……」

そしてRYOは、その新しく始めようと思っていることについて語り始め、その提案に対して、的確な意見を述べるTAKAだった……。

確かに、2人の役割分担はとてもナチュラルに成立していた。

 


 

私にとってはこの2人、仕事を通してとても近い存在なのだが、早速今年も何か面白いことをやりそうな、そんな予感に溢れていた。ともあれ、仲良きことは美しきかな。

文 / Nezu Takako