【エッセイ×根津孝子】イタリア旅行記part①ミラノ編~人が旅をする意味について~

2022年、9月も終わりに差し掛かり、朝晩、私の住む東京もぼちぼち秋の気配を感じられる季節になってきました。昨日のこと、スーパーに買い物に出かけると、秋の味覚、ぶどうや梨は山積み、栗や松茸も発見!「おぉ~、来たか日本の秋!食欲の秋♪」と心躍らせた次第です。

普段であれば、食料品の買い出しをしながら、“日本の”なんて、自分の心の中で“日本”を強調することなどないのですが、数年ぶりの海外旅行から帰ってきたばかりの私は、何となく今、無意識に日本人である自分や日本に住む自分、というのがいつも思考のベースにある状態です。

きっとそれもまだ戻ったばかりのせいで、ここからまた、1週間、2週間と時が経つにつれ、普段の思考に戻るのでしょう。

それが良いのか悪いのかはわかりませんが、今の思考や精神状態は自分としてはとても心地のよいものです。旅の余韻を味わっています。

今回私は、世代もばらばらな愉快なメンバー5人で、イタリアを旅してきました。

訪れた先は、北から、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマの4都市。

ひと言でいえば、「ザ、イタリアな旅」といえるかもしれません。

人生初のイタリア旅行です。教科書通りの観光旅行がしたくて、数か月前からHISにお願いし、プランニングして頂きました。

結論から言うと、大成功でした!

HISにお願いしてよかったと実感できたのは旅先でのこと。行く前に眺めていた旅程表では想像できていないことも沢山ありました。とにかく勝手のわからない、初めて行く場所なのですからそれも仕方がありません。そして行ってみて初めて、そういうことだったのか!と気づき、その度に感謝するばかり。

まず、無駄なく効率よく時間を使うことができました。観光メインの旅行では、プロのアドバイスがとても役に立つものだと改めて思いました。

これから綴るイタリア旅行のエッセイが、いつかイタリアを訪れたいと思っている読者の方へ、何か少しでも参考になればいいな、そんな想いとともに書き進めたいと思っています。

●成田空港から、アブダビ経由でミラノへ出発!

イタリアへの直行便はコロナの影響もあって現在運航していません。つまり、どこかを経由しないと行くことができないわけですが、私たちは、アラブ首長国連邦が運営するエティハド航空で、アブダビを経由して向かいました。

もしかしたら、「え?アブダビ経由で?乗継ぎが面倒くさそう、フライト時間が長い、イタリアってやっぱり遠いな」と思われるかもしれませんね。

実際、成田からアブダビまで約10時間のフライト。アブダビの空港内で3時間フリータイム。アブダビからミラノまで約7時間のフライトです。成田を出発してから20時間くらいかけてミラノへ到着します。

どうでしょう?やっぱり長いですか?そう感じられるかもしれませんね……。

でも私にとってはこの乗り換え待機の3時間が意外と楽しかったのです。

アブダビ空港はハブ空港なので、賑やかで免税店やcaféなどもあります。また、何といってもその異国の雰囲気が刺激的!しかもそれは私が未だ訪れたことのないちょっと謎めいた中東の雰囲気……。

これから始まる旅を良い意味で盛り上げてくれて、また一旦飛行機を降りることで、気分転換にもなりました。

●早朝にミラノへ到着。1日目はフリータイムを満喫。

ホテルは4都市とも中心地やメインの観光エリアへ徒歩で行ける場所にとって頂きました。なので、ミラノ空港へ到着するとホテルへ直行し、まずは荷物を預けて身軽になったら早速ミラノの中心地を散策です。

見慣れない街並みの風景と空気、空の色のコントラスト。とにかく見るものすべてが新鮮で、長いフライトの疲れも感じないほどです。

ふらっとcaféに立ち寄りランチをしたり、休憩タイムをとったりしながら、あっという間に時間が過ぎていきます。

翌日の観光で入館予約を入れている街のシンボル、「ドゥオモ(教会)」周辺はホテルからも歩いていける距離だったので、予習も兼ねてまず散策に出かけたのですが、それが正解でした。教会のすぐそばにある1867年に完成したという、ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世が作った巨大アーケードは圧巻の美しさ。

目の前にしたドゥオモは、「これぞリアル!」というべきか何というべきか、その佇まいに圧倒され、「明日、この中に入れるんだ」と思うと、イタリアにいるんだ、という実感で胸がいっぱいになったのでした。

●ミラノ2日目は、朝から現地ガイドさん付きでしっかり観光。

翌日は朝から現地ガイドさんの案内で観光です。

コースは、「ブレラ美術館」「スフォルツェスコ城」「レオナルド・ダビンチが暮らした家」を巡り、少し時間をつくってもらって、ファッション系のショップが集まるガリバルディ地区にあるセレクトショップ「コルソ・コモ」へも足をのばしました。

そして最後に訪れたのが、前日に下見をしていた「ドゥオモ(教会)」。

いよいよ、教会の中に入る時。

さぁ、そこで目にしたものは?

ミラノ「ドゥオモ(教会)」は必見です!

ネットで検索しても、イタリアのガイドブックにも必ずミラノの観光名所として登場するドゥオモですが、もしも行かれる機会に恵まれたとしたら、ぜひ外観だけでなく、館内へ入ることをおすすめします。(※日本から事前に予約をしておくことができます。)

私たちは館内で現地ガイドさんから建設の背景や歴史など、詳しい説明を受けました。調べればわかることなので、ここに詳しく記すことはしませんが、どんな場所?どんな雰囲気?と聞かれた時、私はその質問に何と応えるか、すぐに浮かんだのが、「人が旅をする意味に出会える場所」という言葉です。

ここに、旅のエピソードをひとつ残しておきたいと思います。(旅仲間よ、バラしてごめんよ。)

ドゥオモを訪れた時、一緒に旅していたメンバーのうち2人が自然に涙が溢れ出たと、話をしていました。

そのうちの一人は20代の男性です。普段の彼からすると、そのあまりにも意外な出来事に、いじってはいけないと思いつつ、超意地悪な私は「え?どうしたの?なぜ?」と、いじってしまったのですが、本人は、「突然マリアが降りてきた」と冗談っぽく言っていました。まぁ、その数日後、ローマのスペイン広場に到着した時も涙ぐんでいたので、真意はよくわかりません(笑)。

ともかく、一緒に旅した者としては、涙が自然に溢れるくらい感激したのだろうと、そんな旅を一緒にできてとても嬉しかったのです。

旅ってほんと、不思議ですね。

私たちの旅はまだ始まったばかり……。

ミラノを満喫した後は、ヴェネチアへと向かいます。ヴェネチアではどんなエピソードが待っているのか?

私自身もまだ知らない世界が待っていました。

part②ヴェネチア編は次回アップします。最後までお付き合い頂ければ幸いです!