『国際結婚救助隊』隊長のあけさんです。
名古屋で結婚相談所を始めて13年目。以前は日本人同士の恋愛相談や婚活スクール、お見合を行っていましたが、6年前から東南アジアの女子達とのご縁を繋げて国際結婚のお手伝いをしています。
本エッセイでは、婚活に奮闘している男性に向けて、𠮟咤激励を少々飛ばし、寄り添いながら結婚・家族・人生について一緒に考えていきたいと思います。

先日、タイの結婚式に参列する為に渡航してきました。ところが出発前から、予定外の連続です。早朝定刻よりも40分の遅延と連絡。予定通りに飛行場へ行ったところ5時間以上の遅延に変更。その後は1時間ごとに遅延が更新されていくため、場所を離れるわけにも行かず、結果、なんと10時間後に出発。待たされましたが、欠航にはならず無事バンコクに到着できて安堵していたら次の試練です。荷物が出てこないのです。2時間経過してもアナウンスはなく、他の飛行機会社の便は流れてくるのにどうもタイ航空のみが止まっているようです。原因がわからない中、同じ飛行機に搭乗した日本人同士で情報交換したり、他のレーンを見に行ったりと協力してなんとかできないのか模索しますが、何ともなりません。5時間が経過し、夜中に到着しましたがもう朝です。そんな時、山積みのレーンの中から自分のスーツケースを発見!すぐに他の日本人の乗客を呼びに行き、全員預けたスーツケースを確保して、思わず抱き合って喜んだのでした。
今回、タイ女子と結婚する男性は初めての海外渡航でした。男性はただでさえ緊張しているのに空港に到着したと思ったら、今度は線状降水帯による大雨と洪水。さらに荷物が出てくるまで長時間待機。私と一緒の飛行機ではなく、空港にはタイ女子がお迎えに来てくれていた為、合流出来てホッとしましたが、洪水の影響で空港までタクシーが来ません。結局、すべての予定を変更し、夜行列車に乗って約5時間、急遽彼女の地元へ向かうことになりました。予約していたホテルも、バンコク市内での予定もキャンセルになりましたが、無事タイ女子の実家へ到着。あれだけ荒れていた天候が結婚式当日は嘘のようで、雨が上がりました。そして会場には150人を超える親族や友人、地域の方々が集まり、二人を盛大に祝福してくれたました。
無事結婚式が行われ、参列もできました。何回も海外渡航をしていますが、今回の試練にはいくつもの要因が重なりました。飛行機の遅延は機材トラブル、そして荷物が滞ったのは当時バンコクでは線状降水帯が何箇所で発生し、大雨による洪水や冠水があり通行止めになり、車やバイク中心の街は身動きできなくなり、特に空港周辺が冠水し出勤できない空港職員が多くいたと後々のSNSやニュースで知りました。渦中だとなぜそうなっているのかの理由が知りたい、情報が欲しい、そしてその情報がないと、不安や怒りに変わっていきます。まさに先月、地元名古屋で線状降水帯の被害を目の当たりにしたばかりだったのに、今回はタイで「まさか」また被害に遭うとは思ってもいませんでした。
疲労困憊の中でしたが、まだ初期段階だった私たちの中には怒鳴る人も、スタッフに詰め寄る人もいませんでした。しかし、その後のSNSでは、空港職員を泣かすまで詰め寄る動画や、6,000個以上の荷物が間に合わず空港に置かれていたりと状況は酷いことになっていました。今回は予測できない天候に空港や街が巻き込まれて、その結果観光客を始めとする外国人の多くが被害に合いました。予定通りにいくことは、それぞれの機能が正常で正確に起動しているからであって、いくつものエラーが生じた時、どう判断し、安全を考えながら行動していくことの大切さを改めて考えさせられました。そして現場側は途中経過でもいいので、なんらかの情報を出していくことが必要だと感じました。

最近、『愛の重力理論』という研究を読んだ方の感想を目にしました。恋愛・結婚の満足度についてのスペインの最新研究で、33カ国、約7,000組の夫婦のデータを数理モデルで分析。結婚の満足度は年数とともに下がっていく。放っておくと自然に下がるのは愛の「重力」のせいか、支える「努力」が足りないせいなのか……。モデル上では、夫婦が関係を維持する努力を何もしなければ、満足度は約4年で半分になると推定され、夫婦の満足度は落ちていく。反対に、関係を維持している夫婦は約16%多めに努力をしていることで関係を維持しているという結果でした。関係維持の努力には、明るく接すること、愛情や言葉で示すこと、共通の友人や家族とのつきあいを大切にすること、日常の仕事を一緒にこなすこと、相手の立場に立つ、許すことなど。二人の努力の「効き目」は合計で決まっているらしく、努力量の合計値が大事。片方があやまらなくても、もう片方が頑張れば補いあえるということもある意味納得しました。しかしこれは夫婦のデータであって、どの夫婦も同じではなく様々なバッググランドがあるのです。他人同士だからこそ、相手が悪い、何も努力してくれないという前に自分は相手に対して努力しているのか、愛は重力と同じで下がるのが当たり前という感覚をお互いが意識し、良い関係を維持すにはやはり努力が必要で、100%の努力はしんどいけれど、約16%するだけで関係性は保たれるのならば努力する価値はあるのかなと思いました。
婚活している人の中には結婚さえすれば幸せになれると思っている人がいます。結婚するからには失敗しないように最初から条件を絞り、一番自分のことを理解して考えてくれる人がいいとまで言う人もいます。そんなに想ってくれるのは、冗談ではなく母親くらいしかいないでしょう。完璧を求めれば求めるほど結婚からは遠ざかって行く気がします。仮に理想通りの相手でも『愛の重力理論』の研究のように、お互いが結婚後に努力しなくては継続は難しく、破綻します。結婚はゴールではなく、そこから二人で生活をつくっていくスタートです。毎日同じ空間で他人だった人が生活を共にしていくのです。挨拶をする、ありがとうと言葉で伝える、相手の話を聞く、家事を分担する、時には二人の関係について話すなど、小さな積み重ねが必要で、関係性を維持するには努力が必要なのです。
人生って、本当に思い通りにならないものです。例えば飛行機が予定通り飛び、荷物が受け取れ、車で目的地まで行ける。普段なら当たり前だと思っていることが、一つ崩れただけで予定は全部変わってしまいます。そしてトラブル時こそニセ情報が出回ります。空港でもSNSでもニセ情報や断片的な情報が錯綜しがちです。予定通りにいかなくても、降り返ればあの時の足止めしたことで時間はかかったけれど、全て結果オーライになったタイ渡航でした。
そして無事結婚式を挙げた二人にとっても、遅延や洪水、夜行列車も、すでに二人の良い思い出になっていました。楽しい思い出も勿論記憶には残りますが、むしろ大変な苦難を一緒に乗り越えたことの方が、今後の人生で二人の思い出と経験になっていくのかもしれませんね。当たり前や日常は実は奇跡の連続なのかもしれません。ここに気付けると日々の行動やお互いを思い遣る気持ちが16%できたら人生は結果オーライなのでしょう。

日頃から「完璧に準備が整う」なんて、なかなか来ないのかもしれません。結婚前も、結婚してからも同じです。大切なのは、何も起こらない人生を求めることではなく、何かが起きた時に、「どうしようか」と一緒に考えられることではないでしょうか。予定通りにいかなかったことを嘆き続けるのではなく「こんな経験もなかなかできないね」と楽しめたら、生きることは少しラクになるのかもしれません。「いろいろあったけど、これで良かったね」と最後に笑えたら、それが一番幸せなのかもしれません。
