【連載×ますだあけみ】あなたは死んだ後どうしたい?~お彼岸に思考を巡らす~

『婚活応援隊』隊長のあけさんです。名古屋で結婚相談所を始めて 11年目。異次元の少子化を目指すのではなく、自分にとって”人生の絶対の味方”をみつけるお手伝いをしています。

現代における結婚観を毎月配信しています。

先日テレビ番組の特集で『お墓問題』を取り上げていました。

多くの墓地で無縁墓になり連絡がとれない、墓じまいをしたくても法外な離檀料請求、跡取りがいない等々問題山積みでした。

なぜこのような問題になったのかは、何度も耳にする少子高齢化、晩婚化、核家族と理由は多くあります。

そもそも100年前は土葬が主流でお墓は上流階級にしかなかった文化。それが50年~60年の間に一般人にも浸透し、本家の人間しか入ることができない為、長男以外はお墓を建てないといけないという墓ビジネスに乗せられた結果、各地でお墓が次から次へと建てられたのです。

当たり前の話ですが、今生きている人は今後全員死んでいきます。そしてご先祖様が、今生きている人よりも多く埋葬されています。

この島国日本の土地がない中でお墓を建てられる土地は限られているのです。土葬から火葬になり骨が残るという文化になり、そしてこの半世紀前はほぼ三世帯家族で、人口や経済も右肩上がり、この先お墓を守っていく人がいなくなるなんて一体誰が想像したでしょうか?

私は11年前に結婚相談所を立ち上げたのですが、実はこの時に婚活業界かお墓などの葬儀業界にしようかと悩んでいたのです。

どちらも必要とされる業界だからお役に立てるし、悩み事を解決するのがビジネスです。人の死をビジネスにするのか、とお叱りを受けそうですが、婚活も葬送もお金が発生しプロとして携わるからできることがあるのです。結果、私は婚活業界に進み、現在に至ります。

コロナ前から国際結婚を始めた理由は、男性がなかなか結婚できない、その理由はコミュニケーション能力不足や年収などもありますが、何よりできない理由に、同居や跡取りが絶対に欲しいと、何歳になっても条件を譲らないというのがあります。

しかも30代前半までの女性と限定し、自分の年齢は気にせず女性の年齢ばかりを条件に入れ込むのです。国際結婚の場合、国が違うと文化も違うので年齢差や同居がNG でないことから進めています。

同居問題は最初こそ別居することで解決ができても、跡取りが欲しいという条件は最後まで取り下げない男性が殆どです。男性たちに私は毎回「なぜ跡取りが欲しいのか?」尋ねると、ほとんどの男性は、家とお墓(中には土地や田畑に山)があるからと言います。

つまり言い方を変えれば、お墓を守るために長男を産んで欲しい、ということなのです。これは男性本人だけでなく、その親も同じことを言ってきます。

代々守ってきた家や土地、そして墓守、そんなことのために結婚という手段をとるって、時代錯誤もほんと甚だしい!昭和か?と思いますが、まだこの現実が多く残っているのが今の婚活業界です。

男性が何歳になっても結婚相談所のアドバイザーや仲人は諭すことなく、若い女性にお見合申込みをしてきます。この跡取りを諦めきれない婚活男性たちが結婚できないために、未婚者は年々増え続けています。

お墓の価値も形も変わってきました。田舎の不便な霊園や寺ではなく、街中でビルの中にお墓ができたり、樹木などを墓石にしたり、散骨などの自然共有型、自宅にお墓を置く自宅墓や遺骨をネックレスやダイヤモンドにして身に着ける形まで、今は選択肢が多くあります。

特集番組を見ていて驚いたのは『永代供養』は永遠に供養をすることではなく、代が続くまでのことだと解説でありました。お金がたくさんあっても家や土地があっても、代が続かないことにはお墓は引継できないんですね。

もしも奇跡的にそんな婚活おじさん(あ、失礼)が結婚できたとしても、子どもができるとは限りません。しかも男の子に恵まれるとも限らないわけで、仮に男の子が生まれても、その子が成長して結婚するとは限りません。

もしかしたら婿養子にいくかもしれませんし、国際結婚して海外で永住や帰化するかもしれない。そう思うと親世代や現実に向き合わない婚活男性は、結婚さえすれば子どもが出来て代々続いてくという勝手な妄想にしか過ぎないのです。

要は自分の代で終わることがなだけなのですよね。結婚が難しいのであれば、結婚を選択しない人生を考え、お墓のことも家のことも考えておく必要があります。

何も考えずできないことを先送りしていると、きっと後悔します。

うちは一人息子、夫側にお墓が一つ、私の実家側にもお墓が一つ、もしも一人娘と結婚したら……、お墓は倍々になっていく。これでは残された人が罰ゲームみたいです。

私が死んだら直葬しお葬式なし、収骨なしにしてほしいと息子には伝えてあります。

亡くなった後、遺骨やお墓があることで救われる人も多くいます。選択肢としてお墓建立だけではないことや、自分の代で責任を果たせない場合は、先送りせずお墓問題として向き合って、次の代へ面倒なことは遺さないことが必要で、供養はお墓だけではないという考え方も持っておいた方がいいと思います。今後は、婚活業界から葬送業界へ需要のがあるかもと思っている私でした。

お彼岸です。ご先祖様あっての私たち、お墓を守るとか言う前にまずはお墓参りに行って、親から今の現状を聞いて知っておくことが機会のされてはいかがでしょうか。