【連載×ますだあけみ】年末年始、ご家族と「人生会議」をしてみませんか

『婚活応援隊』隊長のあけさんです。名古屋で結婚相談所を始めて11年目。異次元の少子化を目指すのではなく、自分にとって”人生の絶対の味方”をみつけるお手伝いをしています。

現代における結婚観を毎月配信しています。

暖かすぎた秋から初冬、日本海側では大雪の日もありますが、全体的に暖かい日が続いています。寒がりの私にとっては有難いのですが、こんなにも変に暖かい日が続くと、30年前の阪神淡路大震災を思い出します。あの時も妙に暖かい日が続いていて、お正月明けに地震が起こりました。

私の住んでいる東海地方は、11年前の東日本大震災の時よりも阪神淡路大震災の時の方がすごく揺れて、明け方に飛び起きたのを鮮明に覚えています。

東海地方はもうずっと東南海地震や南海トラフが起こると言われています。日本は地震大国なので怖がっているばかりより、防災・減災を意識して自分で準備できることはしておきたいですね。実際に私は非常食の準備をしています。

そして万が一のときの為に、自宅のトイレに遺書が貼ってあります。トイレなら毎日目にするからと選んだ場所でした。

普段から、何か起きた時に、あの時これをやっておけばよかった、話をしておけばよかったと、ならないようにと思いながら生活をしています。

先日のこと、岐阜県恵那市の市民セミナーでソーシャルワーカーをしている講師が開催していた”「自分らしく生きる」準備をはじめましょう”というタイトルの講演会に惹かれ、受講してきました。

その中で『人生会議』という言葉が何度も出てきました。

『人生会議』とは、人生の最終段階で受ける医療やケアなどについて、患者本人と家族など、身近な人が医療従事者などと繰り返し話し合う取組みのことで、2018年に厚生労働省の普及活動として始まったことらしいです。

聞いたことはありましたが、どのようにして話すのか、また決めていくのか、自分が病気になっていないとつい先送りしてしまう問題です。

人生100年時代と言われていますので、長生きが前提になっています。確かに、多くの人が病気で弱りながら死んでいきます。しかしそういうケースだけでありません。認知症で自分で判断することや意志を伝えることが出来なくなっていくこともあるでしょう、また不運な事故や突然死など、瞬間で死んでしまうことがあるかもしれません。

人は死に方を選ぶことが出来ないのだからこそ、普段から自分の気持ちを伝えることの大切さを講師は語っていました。そして勿論、一度話したことや決めたことが決定ではなく、何度も変更していい、ということ。自分らしく生きる選択に不正解はないという言葉にとても共感しました。

もしもの時は誰にも訪れます。そしてどんなに仲の良い身近な人でも以心伝心はなく、自分の気持ちや希望を言葉にしないとわからないのです。自分の人生の最期は、家族や医者が決めることではないということなのです。

普段から、自分の意思を決めて身近な人に話していれば、いざという時、その希望が反映されますが、何も話していない、決めていないと、身近な人も判断材料がなく、最後の最後で自分の希望通りになりません。

誰もが死ぬことは決まっています。その時の自分の希望を考えることや伝えることは、自分の為にもなるし、遺されていく人たちの為にもなることを再認識しました。

ふと、婚活のことも『人生会議』に取り入れてほしいと思いました。

結婚して相手がいたら、話すきっかけや心配してくる人、遺していく人に責任もあるけれど、独身の場合、親と話をしていないと本当の気持ちや希望が伝わっていないことが多くあるからです。

結婚しなかった時のことも考えて行動してくことも必要だと思うのです。結婚したいと思っていても、全員が結婚できるわけではないのだから。

結婚式に沢山の友達を呼びたい、結婚して家を建てたい、自分の子どもとキャッチボールがしたいなど、将来自分が結婚している前提での希望は色々でてくるし考えていると楽しいですが、結婚しなかった時のことも考えることで、これから先の生活の準備ができると思います。

もしかしたら、いつまでも結婚への希望をもっているよりも現実を受け入れることで、自分らしく生活できるのではないでしょうか。

独身であることを他人からあれこれ言われたり、ましてや指図されたりするのはいやですよね。

家族や友人と集まることの多いこの年末年始に、『人生会議』として自分の希望や人生観をさりげなく話してみるのはどうでしょうか。お正月にそんな話をするなんて、と思う人もいるかもしれませんが、家族揃った時にこそ、恒例行事のように楽しく、重くならずに話す事が大切なのかもしれません。

大きな震災などが起きてから、あの時もっと話をしておけばよかったとか、平穏な時期に婚活を頑張っていたらと後悔をしないためにも。

まずは頭の中にあることを言葉にしてみましょう。思っているだけでは親にだって伝わりません。なぜ親が結婚をすすめるのか、どうして同居が必要なのか、話していくと、本当にそれらのことが必要なのか不必要なのかがわかってくると思います。親に何も言えなくなる人は、たとえ結婚したとしても、その後も親に何も言えない人生が待っています。

いつまでも親の要望を聞くことを来年からはやめてみませんか?そうすると違う行動がきっとできるはず。来年は今年と違った、それぞれの希望に合った人生が訪れますように……。