【エッセイ×根津孝子】イタリア旅行記part③フィレンツェ編~しっとりとした落ち着きとアカデミックな雰囲気に誘われ~

イタリア旅行記part①ミラノ編~人が旅をする意味について~はこちら★

イタリア旅行記part②ヴェネツィア編~もしも自分がその地に生まれ育ったとして~はこちら★

ヴェネツィアに別れを告げて列車に乗ること2時間。私たちはフィレンツェにやってきました。

旅も半分が終わり、ミラノ、ヴェネツィアと全く違う雰囲気を楽しみ、特にヴェネツィアが独特の雰囲気だっただけに、フィレンツェはきっとまたミラノっぽい雰囲気に戻るのかな?と、勝手な想像をしていました。

しかしそれは間違いで、フィレンツェはまたミラノとも全く違う顔をみせてくれます。

イタリアの4都市にしか行ったことがないので、多くを語ることはできませんが、イタリア旅行の面白さはそういうところにもきっとあるんじゃないかと思います。

知れば知るほど、また違う場所を訪れてみたいと思わせる魅力があるのがイタリアのような気がしています。

お昼少し前に到着した私たち。すぐにホテルに荷物を預け、ランチタイムも兼ねて、徒歩で街の中心地に繰りだしました。

どこかしっとりとした落ち着きのあるその街並みを歩きながら、旅仲間と「フィレンツェって日本でいうとどこなんだろう?観光地には間違いないんだけど……。もしかして京都かも?」という話をしていたのが記憶に残っているのですが、それがなんとビンゴ!

後から合流した日本人の現地ガイドさん曰く、「日本でいうところの京都みたいなところです。盆地で気候も似ています。面白いのは、フィレンツェを地元とする人たちのアイデンティティやプライドみたいなものも、京都の人と似ているような気がするんですよ」とのことでした。

●アカデミア美術館で、天才ミケランジェロの「ダヴィデ像」とご対面!

見どころの多いフィレンツェですが、まず訪れたのは、アカデミア美術館です。(※日本から予約しておくことで、待たずに入館できます。)

何といっても驚いたのは、入館するとすぐに登場するダヴィデ像。

こういうメインの展示物を最初にみせてしまうところが、イタリア人のサービス精神旺盛な気質なのかもしれないと思わせるほど、すぐに対面することができます。

真っ白に浮かびあかったダヴィデ像は、台座を入れると5メートル以上もあり、とても大きく感じられるとともに、目の前にすると思わず「おぉ~…」と自然に声が漏れ出るほどの美しさ。

いいんですか?と思うくらい、どこの美術館や博物館へ行っても、動画撮影も写真撮影もOKなのが日本との大きな違いでもあります。

●ウッフィツィ美術館をゆっくりと巡り、ルネッサンス時代へ誘われ……。

アカデミア美術館の後は、レオナルド・ダ・ビンチ、ラファエロ、ボッティチェリなど、イタリアを代表する芸術家の作品が展示されているウッフィツィ美術館へ。(※日本から予約しておくことで、待たずに入館できます。)

アカデミア美術館やウッフィツィ美術館は街の中心地にあるので、徒歩で移動できます。

これでもかというくらいに続く、絵画や美術品を展示したウッフィツィ美術館の館内なのですが、その窓からの景色もまたとても美しくて……。

この2枚の写真は、美術館の窓から自分で撮った観光名所でもある「ヴェッキオ橋」と「ミケランジェロ広場」方面。

どこを切りとってもその独特の空気みたいなものまで感じられるのが、フィレンツェの魅力かもしれません。

●2日目は、早朝から「ピサの斜塔」へ出発!

かの有名な、「ピサの斜塔」は、フィレンツェではなく、その名の通り、ピサにあります。

ピサもヴェネツィアなどと同様に13世紀頃に海洋王国として繁栄し、当時建てられたのがピサの斜塔や周辺のドゥオモ(教会)です。

フィレンツェからピサまでは、車だと1時間~1時間半くらいで行くことができます。

もし旅のスケジュールが許すのであれば、フィレンツェまで来たらピサまで足をのばすといいかと思います。

私たちは、AM8時にホテルを出発し、9時半ごろには到着。

斜塔の上まで登り、ドゥオモの中を見学して、12時半ごろには、既にフィレンツェに戻って来れました。(※事前に日本から斜塔に上る時間を予約しておくことができます)。

●見どころ満載のフィレンツェは、欲張って、時間の許す限り観光を楽しむ。

ピサから戻った私たちは、時間の許す限り、フィレンツェ観光を楽しみました。

ミケランジェロ広場も必見の場所ですし、ヴェッキオ橋やサン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼など、本当に見どころが沢山あるフィレンツェです。

また、フィレンツェのあるトスカーナ地方は、料理(特に肉料理)、ワインが美味しい土地でもあります。食を楽しむという旅もいいかもしれません。

さて、私たちの旅は、いよいよ最後の場所、ローマへと向かいます。

フィレンツェの旅が終わる頃から旅仲間とよく話題にしていたのが、「もし暮らすとなったら、どこがいい?」という4拓(この時点では3拓)でしたが、ローマを訪れるまでは、ミラノとフィレンツェで意見が割れていました(笑)。

果たしてローマでどんな結果が待っているのか?

フィレンツェ最後の夜、iPhoneの万歩計は2万歩近くを示していました。お陰でホテルではぐっすり。わたくし的には、まだ見ぬローマに夢を膨らませながら、よい眠りについたのでした……。